木造建築専攻
卒業生の進路
卒業生インタビュー
20周年記念事業

山田 真希 -建築のさらなるキャリアアップ- 

森から木造空間を伝える設計士「開かれた建築をデザインする」 管理建築士

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プロフィール

木造建築講座 9期生
NGO ガイアの杜 代表

大学で建築を専攻した後、建築業界で10年ほどキャリアを積み、日本の木造建築をきちんと残す知識を深めるために、木造建築講座9期生として入学した。


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質問1)今の仕事内容を教えてください

地元恵那市で、重要伝統的建造物群保存地区に隣接する市指定文化財木造建築物の修理に、約2年半携わった後、現在は築20年を超えた既存公共建築物を木質化するため、昨年以来大阪市で改築・改修プロジェクトを敢行しています。1日の仕事の流れとしては、朝食を兼ね打合せ会議から始まり、重要懸案の決済を取ってから、関連事例の情報収集や視察を行うと昼食時間を迎えます。日によりますが、そのまま昼食をとりながらの打合せを行うときもあり、その後は喫煙や珈琲タイムを除けば、建築計画・設計の実務の時間です。特に締切日が近いと、その作業は深夜に及ぶことも多いです。

加納家:外観加納家:室内

質問2)今の仕事のなかで「キツいな~」と思うことと、やりがいに感じることを教えてください。

年中睡眠不足なので、思い切り睡眠をとりたいです。

IMG_1635_やまだ質問3)今の仕事を通して社会にどんな貢献をしていると感じますか?

建築の低炭素化を通して、循環型社会を現実のものとすることに貢献していると実感します

質問4)アカデミーに入ったきっかけ

川上から川下まで含めた森林文化に着目し、木造建築に特化していたから。

質問5)アカデミーで得た学び

重要なのは答えではない。

DSC_0728やまだ質問6)自分の専門分野の授業以外で役に立った(あるいは履修した)科目、プロジェクト、活動

木造建築に活用される木材が、何十何百年もかかって山で育てられ、どのように搬出されてくるのかの過程を知ることができた、林業実習体験(松本先生の科目)。伐倒、植林、枝払いを経験することで、その過程の理解が明確になり、林業家の方々への敬意の念をもって建築の責務を果たす決意ができた。

質問7)アカデミー入学前の仕事や家業など、バックグラウンドが活かされていると感じたことがもしあれば。

子供の頃からテントを自分で担いで登るような登山をしていたことから、学生時代には山岳部活動とそのための旅行に勤しみました。このバックグラウンドを通して、シンプルライフの素晴らしさを実感したことから、自然環境と人間の煩悩そして木造建築空間をセットで考えています。

UNEP

UNEP_国際公共建築物_国連環境プログラムという団体のための仕事

質問8)今の仕事をしている中での「モットー」。これからこの道を目指す若者へのメッセージ。

一度立てた目標を達成するまで、あきらめずにやり続けること。

主査からのコメント

社会と業界経験を十分持ってから入学された学生さんでしたので、実質的に成り立たない、機能しない机上の空論的知識には精通しており、それらに興味を向けるのが不得意な反面、自力でその問題解決へ取り組むことへは消極的でした。それを本学での課題研究で、興味の取掛かりを発見し目標を「持続可能な環境と社会を目指す木造建築活動」に設定、卒業後は見事に持続して独自の実務活動へつなげている生き方は、後輩に伝える部分が大きいと思っています。特に、個人や小さな会社では資金が集まりにくいソーシャルベンチャー的な要素と、かなりの資金が必須の建築活動におけるハイブリッド目標には自由な発想と根気、そしてなにより耐力が必要です。女性という体力的ハンディの中、後輩達には、勇気を与えるのではないでしょうか。


連絡先
NGO ガイアの杜
e-mail:gaia2014maki@gmail.com