木造建築専攻
卒業生の進路
卒業生インタビュー
20周年記念事業

滝口 泰弘 -木造建築から社会の問題解決へ-

建築設計事務所を主宰しつつ、社会の問題解決する仕事へ

卒業生

プロフィール

森林文化アカデミー 木造建築専攻1期生

1973年生まれ
神奈川県出身
学歴 東京都立大学大学院工学研究科建築学専攻 修了

滝口建築スタジオ一級建築士事務所 主宰
〒102-0081 東京都千代田区四番町3-10 番町MKビル301
TEL 03-6256-8270  FAX 03-6261-2971
E-mail takiguchi@taki-studio.net

(一社)ウッドマイルズフォーラム:事務局
(一社)東京家づくり工務店の会:事務局
関東住宅医ネットワーク:事務局

質問1)アカデミーに入学を決めたきっかけは何ですか?

大学卒業後、設計事務所に就職し主にマンションの設計をやってましたが、環境に役立つ仕事がしたいと思い林業や地域の木材の事も少し勉強し始めていた時、友人の設計事務所にいた人から、今度森林文化アカデミーという学校が岐阜にできるよ、と教えてもらい、試しに受けてみたのがきっかけです。都会から離れたことがなかったので、美濃に来た時はかなりカルチャーショックを受けましたが、今考えれば人生の転機になった出来事でした。

質問2)アカデミーの学生生活で印象に残ったことは?

開学初年度ということもあり、教員、職員、学生、みんな手探り状態でしたが、その分、何をするにもみんなで話し合って(喧嘩もしながら・・)決めていったことがとても印象に残っています。当時はアパートも少なかったので、毎日夕飯もみんなで自炊して、ほぼ共同生活を送っていたことがとても楽しかったですし、先生も含めて色々なことを語り合ったことが、とても良い思い出になってます。

質問3)今の仕事のやりがいは何ですか?また、今の仕事を選んだ理由をお聞かせいただけますか?

アカデミー卒業後、美濃で設計事務所を開業しましたが、1年後に後輩も含めてNPOを立ち上げ、設計だけでなくイベントや講習会、木材の実験、少々大きな設計プロジェクトやまちづくり等、アカデミーや行政とも連携しながら、木に関する様々な仕事をしてきました。今は個人的に東京に戻って仕事をしていますが、半分以上は色々な活動グループを立ち上げたり、サポートしたりという仕事をやっています。国産材や省エネ、空き家の問題などが活動のテーマになっていますが、今の社会の問題解決をテーマに仕事をすることにやりがいを感じています。

質問4)アカデミーの学びで役に立ったことは何ですか?

木造を全く知らなかったので、山から木造建築までの一連の知識を、特に実務を通じて学べたことは大きな財産になっています。また、当時のアカデミーの状況がそうさせたのだと思いますが、何をするにも話し合って、皆で考えてやってましたので、必然的にみんなで活動をしていく際のまとめ方や進めていく力が身についたような気がします。今やっている様々な活動も、アカデミー時代に学んだこの点がかなり活かされています。

質問5)今の仕事で意識していることは何ですか?

個人の設計事務所なので、食べていくために工務店の下請けや作図のみの仕事もしていますが、最近は、一個人の住宅のために仕事をするよりも、もっと社会的な仕事に関わりたいと強く感じています。色々とやっている社会的な活動はお金にはなりにくいものばかりなので悩ましいところですが、自分がやりがいを感じる社会的なテーマをもった仕事で、かつ食べていける、そんな状況をどうやって作っていくかが、これからの目標です。