木造建築専攻
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卒業生インタビュー
20周年記念事業

相知 正人 -異業種からの転職、独立-

木質構造の専門技術サービス「木質構造の駆け込み寺」


プロフィール

1958年 生まれ
木の建築オープンラボ(愛知県豊田市)代表
森林文化アカデミー木造建築専攻 8期生

私はトヨタ自動車で車の設計を26年していました。その間、建築に係わることもなく、入学当時は全く建築関係の知識がない状態でした。それでも木造建築を選んだのは、やる気になれば、プランニングから建物を作って完成させるまでを自力で出来る楽しさがあったからです。
アカデミーでは、それがそのまま授業で体験できる「自力建設」があります。学校の敷地内にプランニングからほぼ全てを自分達で建築するのです。これは知識も体験もない私には、座学がそのまま実感として把握できる貴重な授業でした。また、アカデミーの授業 は単に知識だけでなく、実務に生かせる技術を学ぶ場も多く、起業を志す者にとっては、一旦就職して学ぶというプロセスが体験できます。
起業してからが、かなり厳しいのは現実です。でも、やりがいはあります。


image002質問1)今の仕事内容は?

工務店、設計事務所への木造建築物の耐震診断及び構造設計の技術サポートを行っている。また、アカデミーを中心に木質構造設計の講習会にて演習を実施している。

image004質問2)一日の仕事の流れは?

まず、ジョギングから始まります。これも大事な仕事です。仕事時間は、個人事務所のため、調整が効くので、仕事量や納期によって臨機応変です。通常、講習 会や打合せがない場合は、パソコンでのデスクワークがメインとなります。よって、デスク周りから、ほとんど動かない日も多いです。ですから、一日はジョギ ングから始めます。

質問3)休日はどんなことをしてますか?

特に休日を決めておらず、必要なときに取るので、改めて休日だから行うことはありません。あえて申すならば、スキューパダイビングへ年に数回行きます。

質問4)今の仕事できついなーとか、これはやりがいがあったというのは?

数年するとルーティンワークに陥りやすく、細かな積み上げや改善が効率には繋がるものの新鮮味が欠けてきます。新たな事は効率とは相反して難しいですが、挑戦しつつも自己満足に陥らないように気をつけています。やりがいは、研究開発的な事ができると良いのですが、個人事務所ベースでは、なかなか難しいのが現状です。

image006質問5)家づくりの際、どんなことを意識していますか?

住まい手さんに安全に住んでもらうことが一番と考えています。住まい手さんがとくに直接要求しなく、完成してもわからずに住まい手の喜ぶ姿が無いとしても、安全はベースかなと思っています。

質問6)地域に貢献していることは?

地域の捉え方が難しいですが、構造計算により国産材はもとより、地域材が活用できるように心掛けています。

image005質問7)アカデミーに入ったきっかけは?

入学前は長年にわたり車の設計に携わり、建築とは無関係な仕事でした。そのため、建築への探究心からではありませんでした。自動車の開発や製作はひとりでは無理ですが、家は設計から建設まで一人もしく数人で出来てしまいます。そこは「ものづくり」としての面白さが大きいですし、年令や財力にほとんど関係なくトライ出来るのが魅力です。
また、家は衣食住の人の生活に大きく関わる部分であり、実用も兼ねて楽しめてしまいます。そんな期待を持ちながら入学しました。

質問8)アカデミーで得た学びは?

入学して知ったのですが、大学の建築学科でも木造建築を学べる場はあまり無い様です。しかも、アカデミーは単に建築学だけに留まらず、山の木から、製材や乾燥に至る部分までを学べます。更にこれらが座学に留まらずに体験実習できることは大きいです。建築に関しても経験のの少ない私には学生だけで建築する自力建設は知識に実感を伴う良い機会となりました。また、先生だけでなく、現役の方の話は考え方や問題点など非常に参考になり経験の少ない者には大いに助けになりました。

質問9)専門分野以外での学びは?

木造建築の木材に関して、木や森の広い範囲での講義実習は新鮮そのものでした。会社勤めのままではまず、学ぶことが無かったと思うことばかりでした。直接実務に関係はしないかもしれませんが、木を係わるものとして知識のベースに必要なことのように感じます。

image007質問10)アカデミー入学前のバックグラウンドが活かされていることは有りますか?

車の設計と建築物と、物は全く違いますが、設計という意味では似ている部分があるのかなと。特に構造設計は考え方が似ている部分があり、違和感はありませんでした。

image008質問11)今の仕事のモットー、これからの若者へのメッセージ

大きな地震が来ても、自分が関わった物件では一人も亡くなる人を出したくないです。
アカデミーへ入学される方へは、いくつからでも遅くはないので、どんな夢でも良いので、夢を持って挑戦してください。やらずに後悔するより、やってから後悔しましょう。


連絡先

木の建築オープンラボ

〒471-0825 愛知県豊田市明和町4-11-21
TEL 0565-78-1236 FAX 0565-29-0978
E-mail:kinokenchiku-openlabo@tg.commufa.jp