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2026年05月12日(火)

名古屋でイベントを行いました〜「教育のまちづくり」から考える、みんなの未来予想図(5/8)

<2026.5.8> 森林環境教育専攻の「教育のまちづくり」をテーマにしたイベント、
教育のまちづくりから考える、みんなの未来予想図」を開催しました。

会場は、名古屋市にある株式会社オカムラさんの共創空間「Cue」。
会場参加6名に加え、オンラインで参加いただいた方も多く。計19名が参加してくださいました。
(当日の概要は、「WORK MILL」のイベントページ をご覧ください)

今回のイベントの題材となったのは、「教育のまちづくり」スタディツアー。
これまで、徳島県神山町(2023)、島根県益田市・津和野町(2024)、島根県隠岐島前・海士町(2025)、などを訪問し、教育を軸に地域づくりを行う実践者たちと出会ってきました。

そこで見えてきたのは、学校だけではなく、地域全体で人が育っていくつながりです。
そして、その人と人をつなぐ「間(はざま)の人」でした。

イベントでは、これまでのスタディツアーをふりかえり、その学びの本質と、これからの一人ひとりが関わっていく「まちづくり、ひとづくり」を参加者と一緒に考える時間となりました。

名古屋駅前にある共創空間「Cue」からの展望

夜18時からのスタートでしたが、集まった方々は学校教育や社会教育に関わる方々を中心に、「教育と地域のつながり」「これからの学び」に関心を持っているとのこと。森林文化アカデミーに興味があるという方もいらして、嬉しかったです!

また、会場には高校生の姿も。森林文化アカデミーに興味を持って来られたとのことでした。
大人に囲まれて緊張していましたが、参加者のみなさんが優しく、次第に対話を楽しんでいました。
和やかな雰囲気で、イベントスタートです。

はじめに、Cueコミュニティマネージャーの河田佳美(かわだ・よしみ)さんから「Cue」の紹介です。

「Cue」は業種や組織を越えたつながりを生み出す共創空間で、「働くのワクワクを見つける」をテーマに、2016年の開設以来、440回以上のイベントを開催し、約1万人が参加しているそうです。参加者も学生から社会人まで多様です。

こうした活動の中で、河田さんは2019年に(一社)ココラボ代表の伊藤大貴さんと出会い、「探究」や「教育」に関心を持つようになったと語っていました。河田さんが「教育のまちづくり」のスタディツアーに参加いただいたことから、今回のイベントが実現しました。

森林文化アカデミーとしても、大都市の名古屋で多様な人と触れ合えることは、とても貴重な機会です。

そして、美濃市地域おこし協力隊の久野春奈(くの・はるな)さんの登壇です。
久野さんはアカデミー卒業生。自身のこれまでの経験と、スタディツアーで得た学びを織り交ぜながら伝えます。

高校時代、「みんなと同じ方向を向くこと」に違和感を抱いていたという久野さん。
森林文化アカデミー入学し、多様な年齢や背景を持つ大人たちと出会ったことで、様々な気付きを得たそうです。

「大人も悩んでいる。他の人と、人生を語り合っていいんだ」

アカデミーでの学生生活を通して視野が広がったと話していました。

そして昨年春に地域おこし協力隊となった後、就任してすぐに海士町のスタディツアーに参加したことで、これまで関わってこなかった「教育」という世界に興味を持ちます。

スタディツアーから1年、久野さんは美濃市で公民館と連携した中高生向けの「自分発見プログラム」を自ら企画、スタートさせました。アカデミーでの学生体験、そしてスタディツアーで出会った人々から刺激を受け、美濃市の若者たちに“自分を知る”ことを大切にした機会提供をしていきたいという思いが語られました。

美濃市地域おこし協力隊の久野春奈さん(写真右)

イベント後半は、アカデミーの外部講師を務めるココラボ代表の伊藤大貴(いとう・まさき)さんを中心に、登壇者、そして参加者を交えて対話が行われました。

「2040年 現状の延長(なりゆきの未来)」ではない、理想の未来とは、どんな未来か?」

このお題を考える中で、伊藤さん、そして河田さんからスタディーツアーの意義について語られました。

それは、アカデミーが掲げる「現地現物主義」とつながるものだ、ということです。

・現地で、人と出会うこと。
・画面越しではなく、その土地の空気を感じること。

学習者同士が”共通体験”を持つ、それによって学びが立体的になっていきます。

現地に行くことで、空気感や匂いまで含めて理解が深まる

現地を訪れ、体験を共有する学びの本質について、河田さんはこう表現していました。

人は、生きるうえで土地の文脈に密接につながっています。特に山村などの地域ではそれがとても深いです。
現地で人々の考えや行動をつくる土壌と風土を体感しながら、人と出会い、対話することが、学び手に本質的な理解を促し、そして学習者同士に共通体験と共通言語を生み出す

ーー 今回、私たちが改めて確認したのは、まさにこのことでした。

そして伊藤さんからの未来に向けてのメッセージで、対話のセッションは終了となりました。

2040年の”意思ある未来”を考えるとき、教育を教育関係者だけで閉じないことが大切です。
ホンキで”生きたい”という人同士がつながって、なりゆきではない未来をつくりたいです

ココラボ・伊藤さん(写真左)によるトークセッション

会場のみなさんからは、
教育と地域をもっとつなげたい」「多様な人と語り合いたい
といった声が多く聞かれました。

そしてオンラインで参加していただいた方々からも、
対話が大事」 「背中を押してくれる人がいる環境が大事」「 自ら未来を選ぶ社会に
といったメッセージが多く寄せられました。

トークセッションの内容は、社会における一人ひとりの「生き方」を考えるきっかけにもなりました。
久野さんの「 大人も悩むんだ。 等身大の大人が語りあえる環境がよいのでは」や、
河田さんの「誰もが”大きく息が吸える”社会を」といったメッセージに、多くの共感が寄せられていました。

終了後、伊藤さんが教育に関わるうえで大切にしているキーワードが伝えられました。

大人も、こどもも、楽しく、自分たちで」。

地域の人、企業、学生、子ども ー まちの中で、立場を越えて人々が関わり合うことで、人々が”ホンキで生きたい未来”が少しずつ形になっていく、そんな希望が生まれていました。

 

このイベントを終えたとき、「教育のまちづくり」を新設したときのことを思い出しました。
本当は、“教育”ではなく、“共育のまちづくり”という名前にしたかったのです。

「教える・教えられる」ではない、人が共に学び合い、共に育み合う「共育」とそこから生み出される「共創(Co-Crearion)」 ー そんな社会が育まれるといいのではと私は願っています。

そのためには、多様な人がつながり合うことが重要となり、その促進剤となる「間(はざま)の人」がますます求められるのはないか、そう感じられたイベントとなりました。

今年も、「教育のまちづくり」でスタディツアーを開催予定です。
学生とともに、山村の未来をつくる“人が育つまち”とは何か、そのヒントを、現地で出会う人たちから学び、参加者同士で“共創”しながら学びを深めていきたいと思います。私たちの学んだものを広げていきながら、いずれ岐阜県で学び合う仲間が現地を訪れ学び合う「スタディツアー」が発展していくといいな、と思った夜でした。

ご参加いただいたみなさま、そして登壇いただいた伊藤さん、河田さん、久野さん、そして会場をご提供いただいた「Cue」のみなさま、ありがとうございました。

<森林環境教育専攻 教員 小林(こばけん)>