自力建設で使う木材の上流をたどる(自力建設2026)
5月7日(木)、クリエーター科林業専攻2年の「森林評価・収穫調査」の授業と、木造建築専攻1年の「建築材料」の授業の合同授業が行われました。
翌年度の自力建設で使われる木材を今年に切り出す演習林の現場に赴きました。

(この日は汗ばむくらいの快晴です)
切り出す木は、演習林内のヒノキ、スギで合計67本。林業専攻の塩田先生から、これは61年生の木で、森林文化アカデミーの前身の林業短期大学校のさらに前の教育機関の学生、現在の年齢にして80歳くらいの方が当時植えたであろう木であることを教えていただきました。
森林文化アカデミーでは毎年学生が種から苗を作り、その苗を畑で育て、林に植えて管理する脈々とした流れがあり、歴史を積み重ね、次の世代へとつないでいます。

(間伐で伐採区域は0.28ha。急な斜面です。)
林業専攻2年の先輩から、切り出す木の本数や直径、樹高などをはじめ、木の品質によってどのような用途(製材用、合板用、パルプ用、燃料用)に分類されるのか、最も有効に木を活用するための見立てのポイントなどを教えていただきました。
また、木を切って、運んで、市場で売却するまでの収入と支出の試算では、たとえ収入に行政からの補助金が入った上でも、山主の手に渡る収入はほんのわずかなプラスにしかならないことが示されました。

(木の状態から取れる材の品質を見定めます)

(木を見上げて観察します)

(幹の途中に二またに分かれる箇所がありました)
そしてその後、実際に林業専攻のみなさんが約28メートルのスギをチェーンソーで切り倒す場面を見学させていただきました。危険をともなう作業であり、ピーンとした緊張感が張り詰めます。
しばらくチェーンソーの音が森に響きわたり、無事に大木が倒れたときほっと安堵の空気が流れ、自然と拍手がわき起こりました。

(木が倒れる瞬間。その光景を目に焼き付けました)

(二またに分かれていた部分の切り口を確認。年輪が二つになってしまっていて、材としては低質なものに分類されてしまうそうです)
自力建設で使う木材の上流の営みを知って、長い間先人が積み重ねてくださった植林や手入れの結果としての木材であることに思いをはせることができました。
また、経済的な利益が難しい中、私たち人間を育んでくれる森林を守ろうと、危険ととなり合わせで林業の現場で活動する方へ心から感謝します。その想いに少しでも応えられるよう、木材を使用する側としてしっかり意識して取り組んでいきたいと思いました。
塩田先生、林業専攻の先輩の皆さま、ありがとうございました。
木造建築専攻1年 稲垣道生