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2018年09月22日(土)

Basic Arborist Training-2(BAT-2) 安全な樹上作業のための専門技術者研修

 アーボリストへの道-2

 LIGHT PRUNING AND RIGGING BAT-2  本日はLIGHT PRUNING AND RIGGING(軽い剪定とリギング作業の基本)を学ぶBasic Arborist Training 2 (BAT-2)を開催しました。これは森林文化アカデミーの専門技術者研修として、ATI(Arborist® Training Instituteと共催して開催した「樹上作業のためのアーボリストトレーニンBAT-2」です。

 

 

 日本で唯一、世界組織 ISA に認められた団体ATI(Arborist Training Instituteアーボリスト®トレーニング研究所)のトレーナーである近藤紳二さんと宇治田直弘さんにLIGHT PRUNING AND RIGGINGを学びました。

 最初に軽い剪定枝切りとリギング作業で用いるギア類について説明を受けました。

BAT-2で学ぶRigging(リギング)はどれほど、危険な仕事であるのか説明を受けながら、「安全に作業する」ため に何を学ぶべきかを再確認。

 

 

 ①想定通りの枝おろし Limb Removalとは

 ②適確な受け口の向きとカッテイング手順について

 ③高度なハンドソーテクニックの必要性

 ④リギングRigging に関する「力学」の基本的理解

 ⑤リギングロープ各種 ロープ特性と役割の理解

⑥各種スリング類の特性の理解と選択

⑦各種コネクティング リンクス等の使い分け

⑧各種フリクション コントロール デバイスとブロック 特性の理解と選択

ポータラップやリガー、RC-1000、RC2001、フローティングやボラードの特徴

 ⑩ライトリギングの基本セッティング 実践訓練

⑪リギング作業に必要な各種ノットの実践訓練

 

 リギングブロックなどには最小破断強度(最低破断荷重:ミニマムブレイキングストレングス:MBS)は記入してあります。ちなみに平均破断荷重はABSと示されています。

 また運用強度WLL :Working Load Limit)も記載されていますが、これは安全マージンを含んだ絶対大丈夫な数値です。

 今回使用したリグングブロックはMBS100KNで、WLL20KNとなっており安全係数がMBS1/5となっています。枝を吊り下げるなら動荷重になるので、更に安全率を10とすると200kgの重さの枝しか吊れないことになる。

 

24KNのカラビナですが、安全率を10とすると、使用荷重は2.4KNとなります。

 (使用荷重)×(安全率)=(破断荷重) 100kgf(1kN)× 5= 500kgf(5kN)

 (破断荷重)÷(安全率)=(使用荷重) 500kgf(5KN)÷ 5=100kgf(1kN)

 

 一方、人間を吊るすときには、物を吊るすときより安全マージンをとらなくてはいけないとの思想から、安全率=10とするのが一般的であり、各種の法、規格でそのように定められています。

 

 

 

 倍力システムの説明ではフィドル・ブロックの設置方法、使用方法を学びました。

 ロワリング・デバイスの取り付けに使うカウヒッチ&ベターハーフ、ティンバーヒッチなどもチェックされます。カウヒッチはスリングが長くないと使えないが、どの方向でもロープを曳くことができる。ティンバーヒッチはスリングが短くても使えるが、ロープを曳く方向が決まってしまう。

 

 

 次に、枝下ろしの チップタイTip Tying)とバットタイButt Tying)についてストラップ利用やバランサー利用、ツリーエンジェル利用について学びました。

 

 

 

 

 ライトリギングでの簡易リフトの手法について、プーリーやフィドルブロック利用も学びました。

 またグランドワーカーの役割と重要性の理解、事前のグランドデザイン及びチーム連携とコールの重要性、ライトリギング ロープリギング基本作業 実践訓練(バットタイとチップタイ)、樹上でLIGHT PRUNING AND RIGGINGをするのを宇治田さんが見守りながら、適切なアドバイスを出しながら、受講者全員が順々に実践しました。

 

 

 樹上でのポジショニング、クライミングロープとリギングロープの位置関係、リギングロープで吊った荷重物によるデス・トライアングルなど、学ぶことはたくさんあります。

 

地上で操作するグラウンドワーカーがポーターラップとタグラインを操作して、安全内地に枝を下ろします。

実際に受講生が設定したリギングを、宇治田さんと近藤さんが修正しながら、状況に応じて どのように配置するのか? 何に注意して配置するのかを樹上で説明していきます。

障害物となる建物の屋根部分と、下ろすべき枝の位置関係、危険性をどのように考えるべきか、樹上作業する人の「安全確保」のために、どのようなポジショニングを考えるべきかを的確な説明を受けました。

 

 

 最後に全員が2回ずつ、リガーでの荷下ろし体験です。これが簡単そうで、意外に難しい。

 

 

 摩擦抵抗の大きさに四苦八苦しながら、他の人の操作も参考に、全員が頑張ってチャレンジしました。

 

 

 今回の参加者8名と講師陣3名による記念撮影、どいうわけか掛け声は「ワン、ツー、ツリー」でした。

 

 

以上報告、JIRIこと川尻秀樹でした・

 

専門技術者研修~安全な樹上作業のためのBasic Arborist Training-1 (BAT-1)

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Basic Arborist Training 3 A(BAT-3A)樹上作業のための専門技術者研修