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2026年05月21日(木)

【見学報告】藤井ハウス産業株式会社の工場見学に行きました

 令和8年5月13日に、岐阜県養老郡養老町にある藤井ハウス産業株式会社様の工場見学に行きました。
 当日伺ったのは、石原先生のほか、クリエータ科の木工、木造建築の学生とエンジニアリング科の学生の総勢約10名であり、藤井ハウス産業の藤井様、若山様のご説明により、工場内の色々な設備を見せて頂きました。
 こちらの会社は今年で創業80年を迎える老舗であり、最初は襖や障子などの建具から始まり、その後和室の造作材から、昨今の住宅事情から洋室にも合う造作材をつくるとともに、家具や建具の制作なども行うなど、今日まで非常に手広く取り扱っておられます。

ウェルカムボードまでご用意いただきました

 

 藤井ハウス産業様では無垢材、積層材、化粧貼り材を製造するとともに、これを使って各種造作材を造っておられますが、今回の工場見学では主に化粧貼り材の製造工程を見ることが出来ました。その過程は以下のとおりです。

Webカタログ 2025年版 藤井ハウス産業株式会社】より一部加筆

 無垢材(慣例的に、単に「無垢」と呼ばれることもあります)とは、丸太から製材した、つなぎ目や貼り合わせのない木材であり、「正物(しょうもの)」とも呼ばれます。
 「造作用集成材(慣例的に、単に「積層」「フリー板」と呼ばれることもあります)とは、ある程度の厚みと巾を持った無垢材や、小角材を接着した木質材料で、大きな節や割れなどの欠点を取り除き、その繊維方向を並行に揃え、巾と長さ方向に集成接着した木質材料の事をいます。また、これらに天然木の薄板(突き単板)を貼ること、あるいは貼ってできた材料そのものを「化粧貼り(「突板貼り」「単板張り」と呼ばれることもあります)」と呼んでいます。

 「フィンガージョイント」というのは、無垢材の小片を接続(縦継ぎ)する際に入れるギザギザ部の事で、今回の見学で初めて見ることが出来ました。このギザギザを入れるのもちゃんと方向があり、年輪に対し放射方向で入れている(接線方向だと割れやすい)との事で、色々と勉強になります。

【① 加工前の小角材】

【② 小角材にフィンガージョイント加工を施す】

【③ フィンガージョイント部で接着して1本の角材にする】

【④ 表面に単板を貼る】

 このように、①~④の過程を経て製品が出来上がります。この単板倉庫も見せて頂き、以前は藤井ハウスさんでも製造していたそうですが、今は購入されているものの、その工場も数が少なくなっていること。また樹種によって購入する地域も違う(スギなら秋田、ヒノキなら長野~岐阜)との事でした。
 また、この単板を裁断する機械があり、上から刃が下りてきて裁断するものので、その名もギロチンと言い、丸ノコの類で切ると縁がささくれるので、このような機械で裁断していること。また木表から切る(木裏からだと割れる)との事で、板材なら違いは明確ですが、薄さ0.5㎜前後のものを区別するのはさすがに職人技だ!と感嘆されられました。

 こうした製品がどのように使われているのかと思ってましたが、鴨居や敷居で使われているとの事で、この製造過程も見せて頂きました。

【巨大な溝突盤】

【鴨居 断面を見ると単板が貼ってある】

【敷居】

【溝が連続していて、背骨のように曲がる】

 我々が普段目にしている造作材に、このような加工が成されているのを初めて知りました。そのほかにインテリアとして曲面加工された材もありました。
 いや~岐阜県にこんな技術力のある、大きな会社があったなんて、ただただ驚きです。なにせ従業員100人に対し、加工機械が130台もあるなんて、ちょっと聞いた事ありません。それに工場内はどこも綺麗ですし、アカデミーの木材加工棟とはえらい違い(※後日念入りに清掃しました)。
 今回は大勢で来たにも関わらず、快く対応して頂いた藤井ハウス産業の藤井様、若山様には、この場をお借りして感謝申し上げます。

 

 あと余談ではありますが、工場前に池があってちょっと気になっていたのですが、嘗てはここで木材を貯木し乾燥も行っていたとのことで、課題研究で木材の乾燥をしている身としては興味深く、航空写真からその様子が見れるかな~と調べてみました。
 残念ながら木材が浮いている様は分からなかったのですが、少なくとも60年前から存在していた池で、古いもの大好きなワタシとしては非常に興味深かったです。

今昔マップ on the web:時系列地形図閲覧サイト|埼玉大学教育学部 谷謙二(人文地理学研究室)

養老町, 岐阜県 – Google マップ

 

クリエーター科2年 木造建築専攻 髙木 始