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2022年12月13日(火)

独立電源講義(自エネ組)

木造建築の防火の授業で、桜設計集団の安井先生の八ヶ岳の秘密基地に伺った際、独立電源システム(オフグリッドシステム)に興味を持った学生たち。

エネルギー自給率が12%しかない日本では、原油や天然ガス等、9割近くを海外に依存しています。海外情勢が不安定になると途端にエネルギー価格がはねあがり家計にも大ダメージが降りかかります。

これからの時代、外部からのエネルギー供給に依存せず独立してエネルギーを賄えると将来に向けての安心感につながります。

そこで、八ヶ岳の秘密基地の独立電源システムを構築された自エネ組の大塚さんを講師にお招きして、オフグリッドの可能性を考える機会を得ました。

まずは大塚さん自身の自己紹介を兼ねて動画で紹介いただきました。福島の山奥で電気も上下水道も来ていないところで、ご家族と住まわれていました。

電気のオフグリッドは比較的目にする機会は増えてきましたが、上下水道までとなると、ほとんど目にしません。

元大工の奥様や子どもたちの元気な様子からも、楽しみながらエコな暮らしを楽しまれている様子が見てとれました。

 

また設計事務所も主催されており、ご自身の設計の中で取り入れられた様々な取り組みを実例もまじえて、さまざまなテーマでお話いただきました。

・独立電源システム(リチウムイオンバッテリーを使った電力オフグリッド)
・井戸水を使った輻射冷房(京都・南禅寺の事例紹介)
・水の浄化システム(沖縄のブックカフェの事例
・トイレの水の土壌浄化システム
・真空管式の太陽熱温水器
・エマルジョン燃料(軽油+水の山梨の事例)
・水酸素ガス

興味深い実践例が盛りだくさんです。

後半の90分は学生との意見交換です。
興味深い内容ばかりで、質問が途切れることなく出続けて、予定時間を30分を超えたところで一度打ち切りました。これだけ質問が出る講義は稀です。

その後の懇親会でも大塚さんは学生にひたすら捕まっていました。

今回の内容は、これからの暮らしを考える上で、外せない要素ばかり。
どのように咀嚼して設計の中に取り込んでいくかを学生に期待したいところです。

教授 辻充孝