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2022年10月06日(木)

サマーセミナー2022報告③

さて、サマーセミナーの活動報告も中盤です

【3日目】

3日目のテーマは「WildLifeManagement:野生動物管理」

朝早く宿を出発してシュヴァルツヴァルト(黒い森)の国立公園へ向かいました

道中に休憩がてら見せたいところがあるとのことで、わずかな時間ですが木道が整備された公園を散策しました。

ここは、1999年に到来した大型台風「ローター」の影響を受けて大規模な風倒木被害を受けた場所とのことでした。この地区では被害木を除去するのではなく、そのまま残して一部に木道を整備することで被害の様子を実感すると同時に天然更新の様子を見ることが出来ました。おそらく台風の影響があった地区と知らなければ、自然散策路として十分機能を果たしそうな更新状況です。

過去の様子https://www.forest.ac.jp/academy-archives/summerseminor2019-2/

 

さて、本来の目的地である国立公園内にある2021年にオープンした「Ruhesteinビジターセンター」に到着すると、職員さんに施設の案内をしてもらいました。ここは、施設オープン前にわれらが涌井学長も視察に来ていたようです。当時は外装が仕上がっていなかったため、今の姿を見たらびっくりするかもしれませんね。

ロッテンブルク大学との連携覚書の延長協定を締結(その2)

 

この施設の模型は非常にユニークな形をしていました。この形状のモデルとなったのは、ここに来る前に立ち寄ったローターの影響で倒れた木々だそうです。

ビジターセンター内の展示を見に行こう!と移動しますが、ゲートを超えるとしばらく待機です。入場人数の制限かな?と思いましたが・・・これは現地へ行ってからのお楽しみにしてください。

展示は様々な工夫が凝らされていて、子供でもお年寄りでも外人でも楽しめる展示でした。また、全体的に緩やかなスロープで構成されており、音(生き物の声)や触って楽しめる展示は誰でも楽しめる配慮だと感じました。

それぞれの展示物の配置には意味がありました

アナログのシンプルさとデジタルの情報量の融合

屋外に出ると、木々の梢に触れられそうなほど樹を近くに感じられる展望エリアがあります。

一番高い展望エリア。いい景色!しかしその視界の先にもバークビートルの影響を感じます

昼過ぎからは本日のメインプログラム「野生動物管理シンポジウム」です

国立公園内のwildlifemanagementwo担当しているバーグハート氏

鹿児島大学の寺岡教授

ロッテンブルグ林業大学校の狩猟学を担当しているバイムグラーベン氏

アカデミーからは新津が各15~30分ほどの情報提供と意見交換を行いました

日本と同じく鹿の被害が多く、食害や車との接触が大きな問題になっているようです

 

 

シンポジウムの後には、このエリアで森の中のマネジメントコントロールを行っているシンドラー氏に案内をしてもらいました。

彼は怪我をした(事故・狩猟による怪我)を探索するスペシャリストです。現在訓練中のパートナー「ドレー(メス)」と共に活動するうえで必要な道具と実際の訓練の様子を見せてくれました。

車との接触事故・夜間狩猟の半矢(ドイツでは夜間の狩猟も可)によって怪我を負ってしまった獣を探索し、確実に捕獲をするのがドイツの流儀です。技術だけでなく命に対する考え方も学ぶべきところが多い一日でした。しかし、同時に日本で行われている調査手法に対しても関心があったり、皮革の活用について進んでいなかったりと、相互の情報交換に有益な時間でもあったと感じました。

 

報告:新津裕(YUTA)

 

◆サマーセミナー2022の現地視察の様子を、学生が報告する機会があります。時期や詳細はまだ未定ですが、アカデミーへの入学希望者やサマーセミナーでの様子に関心のある方は後半の報告で改めて告知したいと思います!詳細をお楽しみに!!

過去の記事

サマーセミナー2022①はこちら

サマーセミナー2022②はこちら