森林環境教育専攻
卒業生の進路

天池 信正(あまいけ のぶまさ)

馬瀬地方自然公園づくり委員会

・プロフィール

自動車部品製造会社を退職後、
H24 4月アカデミークリエーター科山村づくり講座入学
H26 ・4月下呂市馬瀬にある地域団体「馬瀬地方自然公園づくり委員会」に入会、       馬瀬里山ミュージアム(西村)設立に参加、同年5月設立する。
・農水省「都市農村共生・対流交付金」コーディネーター
H27以後次の活動の従事する
・馬瀬里山ミュージアム(中切地区、川上地区)調査
・内閣府農水省「ディスカバー農山漁村の宝」申請し受賞
・農水省「食と農の景勝地」「SAVOR JAPAN」申請し認定
・農水省「農泊推進交付金」コーディネーター

 

①入学のきっかけ

平成20年代の初めに岐阜県下各地の里山のコナラ、アベマキが枯れる「ナラ枯れ」が発生し、茶色の里山が目立ってきた。山歩きの趣味の者としてはコナラの大木が枯れていくのを見て「もったいない」と思い、この原因とその防止策を学び「ナラ枯れ」を減らす活動を目指そうとした。

 

②学生生活で印象に残ったのは

先生方と生徒の一体感が素晴らしい。私が在籍した「山村づくり講座」では、同期の学生が少なく、授業や実習が教師とのマンツーマン対応が殆どであり、疑問点などもすぐその場で聞き解決させ、その日の学習はその日内に完結させるという、学生にとって素晴らしい学習の場を与えて頂いたという印象を今でも持っている。

 

③今の仕事のやりがいと選んだ理由

理由-馬瀬の地域団体に現在所属しているが、この団体は「景観保全」と「地域づくり」が主な活動目的である。この両目的はアカデミー山村づくり講座での学びがそのまま応用でき活用できる環境であるのでこの仕事を選んだ。
やりがい-この団体は現状維持に甘んじず、地域活性のために新しい事にチャレンジしている。お金も人も十分ではないが知恵と工夫でこの4年間大きな実績を残している。その担当者の一員として、仕事を任され自分の頑張りが成果に結びついていることにやりがいを感じている。

◎馬瀬地方自然公園
http://www.maze-shizenkouen.jp/

 

④アカデミーでの学びで役に立ったことは

アカデミーで学んだ授業は大いに役立っているが、その中で特に森林生態学と社会資源調査は現在の仕事で役に立っていると思う。現在は住んでいる馬瀬は、人口減少が激しい山村で高齢化の地域である。周りは山また山、小さな集落が馬瀬川に沿って人口1100人の典型的な中山間地域である。美濃地方では見られない樹種も多くあり、名古屋方面からの観光客への木や草花の説明に、また地域の宝さがしに森林生態学の知識が役立っている。そして地元住民とのふれ合いを出来るだけ多くの時間を費やして、目に見えない社会的資源(生活、仕事、伝統工芸、祭り、言い伝え、消え去ったもの等)の発掘に役立っている。
どちらにしても仕事を進める為には地元住民とのコミュニケ―ションが大事になり、これを進める為にはこの両学問が役に立っている。

 

⑤今の仕事で意識していることは何

地域の活性は住民の支えが必要である。住民とかけ離れた(行政や協議会のみの主導、住民の協賛なし)地域づくり、また一部の住民だけの支えの地域づくりは長続きしない。これを常に肝に銘じて仕事を進めている。

(2018.6.25掲載)