活動報告
最近の活動
月別アーカイブ
2020年07月25日(土)

【どてら】パソコン利用! かんたん構造解析

木造建築の新しいかたち(その143)木質構造に関する住育の取り組み

実務者のスキルアップをする住育:専門技術者研修「木造建築の構造性能検討ツール演習」を開催しました。土曜寺子屋「どてら」として、基本的に土曜日(本年度は研修の一部を異なる曜日に開催します。)に開催しています。

「木造建築の性能設計は難しい」と感じている建築実務者は非常に多いと思います。本研修では、パソコンを利用して、木造建築の性能を検討する演習を行います。パソコンを利用することで、木造建築の性能検討を比較的容易にできるようにすることが目的です。

今年度は全7回を通じて、WallStatStudioを利用した解析を行います。後半では、参加者各自のプランを入力して解析を行い、最終回の公表会にてその報告をしていただきます。

中川貴文氏(京都大学 生存圏研究所 生活圏構造機能分野 准教授)が開発した「Wall stat」を用いて、立体構造モデルにおける時刻歴応答計算を研修します。この「Wall stat」は、東京大学をはじめ、独立行政法人 建築研究所や国土交通省 国土技術政策総合研究所にて、実大の振動実験結果との検証がなされてきたソフトウェアであり、木質構造を専門とする多くの研究者・技術者の方々が研究や技術開発などで利用しているものです。「Wall stat」を使うことにより、パソコン上で木造住宅の数値解析モデルを作成し、振動台実験のように地震動を与え、 最先端の計算理論に基づいたシミュレーションを行うことで、変形の大きさ、損傷状況、倒壊の有無を視覚的に確認することが可能となります。さらに、「Wall stat」はフリーに利用できるため、実務者の方々にも導入コストがかからず利用することが可能であるというメリットもあります。

中川先生に御了承を得た上で、森林文化アカデミーの専門技術者研修での技術研修を行っています。

Wallstatの演習を担当していただいている森本氏(薫田工務店)は森林文化アカデミーの卒業生であり、課題研究ではWallstatを利用して一般の方々や行政向けに木造建築の耐震性能の見える化を提案しました。在学中には、数社のメーカーや森林技術開発・普及コンソーシアム会員企業、アカデミーが連携している中津川市内の企業などとコラボレーションした技術開発活動として、Wallstatを利用した木造建築の耐震性能評価とその技術開発の実施、国内外(韓国など)でその結果を建築実務者向けに説明などをしてきました。

まずは、地震波の特性について説明しました。次に、軸組のモデル化について説明しました。そして、制振ダンパーのモデル型として、マクスウェルモデル、フォークトモデル、履歴モデルについて、その特徴やパラメータ等について説明しました。演習では、サンプルプランを用いてwallstatの一連の利用方法、いろいろなパターンの地震動入力、各参加者の検討方針イメージの話し合いなど行いました。

教授  小原 勝彦