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2021年08月26日(木)

森林文化アカデミー・森林環境教育とは(オープンキャンパス資料)

オープンキャンパスオンライン相談会(森林環境教育専攻)
・9/14(火)19:00~21:00 申込はこちら

 

森林環境教育専攻には4名の教員が所属しています。それぞれが環境教育に必要な基礎・実習・研究指導の得意分野を持ちながら、全体のつながりをカバーしています(各教員の専門分野や活動内容について詳しくはアカデミーHPの教員紹介ページをご覧ください)。

本専攻の人材育成目標を圧縮して言えば「森林・里山の空間と資源を活かした「教育」「保全」「地域づくり」のプロを育成する」となります。 では以下にその内容を説明していきます。

日本で環境教育が業界として成立したのは1990年代に入ってからです。クリエーター科の専攻の中では最も新しい業界と言えます。

その成立の背景には4つの社会的背景がありました。①地球規模の環境問題への関心の高まり、②国内の森林や山村の荒廃問題、③青少年をめぐる社会的事件の多発、④ストレス過多な現代社会の課題です。これらの課題を法律経済や技術開発の問題とは別の角度から、人づくり(教育的手法)から解決しようとするのが環境教育のアプローチです。

 

米国の女性化学者レイチェルカーソンが残した「センス・オブ・ワンダー」という言葉をご存じでしょうか?「自然の不思議に目を見張る感性~わくわくドキドキする心」と訳されます。

写真は森林文化アカデミーの演習林内で長年行われている「森のようちえん」の様子ですが、特に幼少期に自然とふれあう原体験を持つことが、環境問題への関心だけでなく人間関係の発達を促すためにも大切だと言われています。大人たちもその感性を取り戻すことが環境教育の出発点(キーワード)となります。

しかし現代の日本社会ではそうした自然体験の機会を提供したり、フィールドとしての自然を守るには、社会の仕組みや専門のリーダーを確保する必要があります。

森林環境教育のリーダーを育成するため、本専攻ではこのような基本知識やスキルを組み合わせた科目を提供しています。

分母の部分は、環境教育の基礎知識として欠かせない「自然科学の知識」や、環境問題を生みだす社会背景や政策動向などの「社会科学の知識」です。

分子の部分は、環境教育を実践する知識スキルとして必須の「野外活動技術」(キャンプ運営や安全管理を含む)や、「対人関係技術」(インタープリテーション、カウンセリング、ファシリテーションなど)です。

これらを組み合わせ、対象者やフィールドなどの条件に合わせながら、学習の深度や段階を発達させていくのが環境教育リーダーの役割と言えます。

 

では実際に森林環境教育専攻で行われている科目を、基礎から応用に向けて順に紹介していきます。

第1は森林生態学、樹木同定、生物同定などの「自然を知る」ための基礎科目、自然体験プログラムを通じて「センス・オブ・ワンダー」を感じる実習です。

 

第2はアカデミー内で行われている森のようちえん、プレーパークなどに参加している子ども・保護者とふれあう実習、里山や山村の現場へ出かけて地域の生活の知恵や生活史を聞き取る実習を通じて「人を知る」授業です。

 

森林文化アカデミーの4専攻で行われている活動をつないで、育てた木を実際に伐り→製材加工し→作品や遊歩道・看板などに使うといった森と人の関わりを一貫した体験プログラムとして体験する実習も行います。

 

これらの体験を実際に創り出すためのトレーニングの場として、インタープリテーションの企画実習、プログラム指導実習などを2年間みっちり行います。

地域コミュニティの中で持続可能な暮らし方をデザインし、自然学校やローカルビジネスを企画実践、地域の人たちと協力して事業を進めるための実習科目もあります。

そして農山村のフィールドで自らコミュニティビジネスを起業する方法を学び、その思いを事業計画などの形に表すことを学ぶ演習や実践者ゼミといった科目もあります。

 

2年間の学びを総合し、自分が目指す生き方や仕事の強みをデザインするために担当教員とマンツーマンで1年間かけて取り組む科目が「課題研究」です。課題研究の成果を仕事として発展させて活躍している卒業生の紹介を、アカデミーHPの専攻紹介ページで記事にしていますのでぜひご覧ください。

 

森林環境教育専攻で学ぶ2年間の標準的なイメージを図示します。

1年生の入学~4月下旬まで全体的なオリエンテーション科目や同学年とのチームビルディングを行いながら「学内での学びの環境づくり」を行い→個々人の専攻選択をします。

5月初め~9月末頃まで学科全体の共通科目や専攻内の必須科目を集中的に行い「森林環境教育の土台」をつくります。       

1年生の後期が始まる10月初めには、自分が将来目指したい仕事の分野を見定めます。分野として「森を伝える人」「地域を創る人」「自然を守る人」の職業や職場を例示していますが、それらを支えるスタッフ業務や、分野をつなぐ新たな仕事も生まれています。

 

2001年~2019年入学者データを集計すると、第1位は自然学校(24.2%)とビジターセンター&都市型環境教育施設(6.5、%)など環境教育の現場で「伝える人」に進む卒業生、第2位はさまざまな起業(21%)や地域づくり団体(14.5%)など「地域を創る人」が多くなっていますが、調査アセスメント会社(6.5%)・森林公園管理(9.7%)など「自然を守る人」に進む人も一定数います。

6次産業型林業(4.8%)・その他(公務員・教育・福祉・進学 12.9%)など環境教育の土台を活かして新しい分野にチャレンジする人が多いことも特徴です。


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