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2018年05月14日(月)

En1年生「森づくり実習」始まりました。

En1年生「森づくり実習」始まりました。

「森づくり実習」は、木質資源の持続的な生産に欠かせない人工林施業における基本的な技術を学ぶ科目です。

授業では、植栽から保育までの過程を演習林や県内の林業事業地に出向き実習します。

植栽、雪起こし、下刈り、枝打ち等、それぞれの作業に適した季節に合わせ日程が設定されています。

実習初日は、植栽作業。もちろん地拵え(林地に散らかった枝条や残材を整理集積する作業)から行います。

 

地拵えで植栽スペースが確保できたら次は植え付け作業です。苗木は、アカデミーで生産されたスギのコンテナ苗です。裸苗に比べると、植穴も小さく作業がはかどります。

植栽密度は3000本/ha、苗木の植え付け間隔は、約1.8mになります。

 

二日目は、郡上市高鷲町で雪起こし(雪圧により傾いたり倒伏した苗木を引き起こす作業)を行いました。

この日の現場は、高鷲町在住の篤林家山川さんの所有山林です。山川さんには、毎年貴重な実習フィールドご提供いただいています。

この現場も、数年前にアカデミー生が植栽を行ったところです。先輩から後輩に作業を引き継ぎながら、森づくり実習が行えるのも山川さんのおかげです。

郡上市高鷲町は、県内有数の多雪地域として知られており、現場の苗木のほとんどが傾いた状態にありました。

 

引き起こし作業は、ジュート縄を使って行います。ただし、ロープを苗木に結び、ただ引っ張ればよいというわけではありません。簡単に結べ、張りの調節も容易で、苗木に悪影響を与えない結び方がちゃんとあるます。今回用いたのは、半回廻し枝止めというとてもシンプルな結び方です。結び方は、出発前にしっかり予習しています。

雪起こしでは、縄を掛ける位置が高すぎれば穂先だけ起きてしまい、低すぎると起こすのに余分な力が必要となります。また、せっかくロープを結んでも張りが緩すぎては意味がありません。一見単純な作業に思える雪起こしですが、いろんなところにコツがあるんですね。

 

三日目は、再び植栽作業を行いました。

この日のフィールドも郡上市高鷲町です。午後から森林所有者の山川さんも駆け付けてくださり作業を一緒にしていただくことができました。

地拵えは、午前中のうちに済ませたつもりでいましたが、山川さんの目線で見ると、まだまだ地拵え不足の場所がたくさんあることをご指摘いただきました。

追加作業により植栽スペースをずいぶん増やすことができました。労務をいとわず土地を無駄にしない所有者目線の考え方を学ぶことができました。

 

  

学生達には、一連の実習をとおし実際の現場に触れながら、技術を学ぶことはもちろん、道具の扱いや手入れに慣れ、併せて山林作業の作法等も身につけていただけると良いと思います。

次回の実習は、七月の下刈り作業です。

以上、報告は担当 伊佐治でした。