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2019年10月18日(金)

第13回 岐阜県地域森林監理士養成研修を開催しました。

今回は、第13回目となり、『木材流通』に関する研修を行いました。

 

 午前中の講義は、岐阜県立森林文化アカデミー産学官連携係 中通実係長です。中通係長は、「木材の流通」・「加工」について長年携わってきた数少ない岐阜県職員で、講義内容は、『スギ等の流通・加工・新たな展開』です。

 地域森林監理士は、基本的には森づくり、林業に関して貢献することが求められています。しかし、森づくり・林業に対する適切な助言をするためには、管理してきた森林で伐採された原木の流通を知り、木がどのように社会で活用されているのか、木材業界の現状・変化と業界からの原木へのニーズを学ぶ必要があります。

 中通係長からは、研修生にとってなじみの薄い『原木の流通構造、県内流通、岐阜県産材流通促進施策、大径材化の課題』について講義していただきました。

 地域森林監理士の研修生としては、日常業務としては断片的にしか関わっていないかもしれませんが、地域森林監理士になった暁にはこれらの社会的ニーズを踏まえて、林業現場等でアドバイスをしていくことが期待されています。

 最後に、今後、地域森林監理士として、岐阜県産材の活用が進むことに貢献し、県内の森林整備が進むことを期待しているとの話がありました。

 

 午後からは、午前中の中通係長からの講義を踏まえて、県内における木材の仕分けについて現地研修を行いました。現地研修先は、『株式会社 東海木材相互市場サテライト美並』と『長良川木材事業協同組合 原木仕分け土場』です。

 『株式会社東海木材相互市場サテライト美並』では、担当の大塚亘さんからご説明をいただきました。

 こちらでは、個人や民間の素材業者から買い取りをした原木を別品材、A材、2A材、B材、2B材、C材の6種類に仕分けをし、そのうち、別品材は大口市場へ、それ以外は品質・規格に応じて『製材工場』、『合板工場』、『集成材工場』、『チップ工場』、『バイオマス工場』に出荷されています。

 ひとくちに原木といっても、樹種はもちろんのこと、末口径の太さによって、ニーズが大きく異なります。今、最もニーズが高いものは直径20〜30cm程度の太さの原木で、とりわけ、今は柱取りのできるヒノキ3mが特に少ないとのことでした。

 また、直径が50㎝程度の原木は売り手がつかず、非常に困っているなどの話もありました。

 続いて、郡上市白鳥町にある『長良川木材事業協同組合 原木仕分け土場』で現地研修を行いました。こちらでは、岐阜県森林組合連合会 岐阜共販所の赤池保所長にご案内いただきました。

 赤池所長から、長良川木材事業協同組合で引取が可能な材の規格と土場に並んでいる実際の材を比較しながら解説いただきました。例えば『黒心』は普段森林技術者が想定している以上に黒くてもA材として扱われる可能性が高いことが見て取れました。このことは、山土場での仕分け時に、森林技術者がニーズを把握していれば、もっと売上を伸ばすことができ、森林所有者に喜んでもらえるということをお話いただきました。