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2016年11月17日(木)

環境教育の指導者育成カリキュラム③ 「森のようちえん指導実習(出前版)」

 

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環境教育の指導者にとって、自然と人は永遠のフィールドであり相手です。そしてそのふたつともが(自然も人も)1日として、1人として同じものはありません。

「ホンモノの力」をつけるには、残念ながら早道はありません。百戦錬磨、1分でも多く、自然や人と触れながら、感じて、考えて、挑戦していく中でしか力をつけていく方法はなさそうです。

森林文化アカデミーの環境教育の指導者育成カリキュラムの中には、そうした時間がたっぷりと含まれています。というか、殆どがそうした時間だと言っても過言ではないでしょう。とにかく森、とにかく人。毎日のように森に入り、幅広い年齢層の人たちを相手に2年間過ごし続けた学生がホンモノの力を身につけることでしょう。

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つい先日、地域の保育園からの依頼で3年前にはじまった「森のようちえん体験」の出前授業のために、学生と一緒に実習に行ってきました。森林文化アカデミーの演習林や隣の山でも森のようちえん「野外自主保育 森のだんごむし」が毎日活動をしていて、学生たちの格好の実習現場となっていますが、地域の保育園、幼稚園へ出向いての自然体験活動の提供も頻繁にあり、実習現場として活用させていただいてます。

今回のこのプログラムは、県内で森のようちえん活動が広まる中、限られた森のようちえんの子どもたちだけでなく、既存の幼稚園・保育園の子どもたちが一人でも多く、地域の自然資源を活用して自然体験ができるよう先生たちと協力してはじまったものです。


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現在は美濃加茂市にある2園の依頼にお答えして、年間5日程度ずつお手伝いしにお邪魔しています。3年目ということで、最初はおっかなびっくりで何をしたらよいか分からなかった雰囲気の保育士さんたちも、だいぶ慣れてきたようです。近くの里山や裏山を活用して、今では私たちがいない日も自然の中に子どもたちと一緒にあそびにいくようになったそうです。

子どもたちも、最初は何して遊んだらいいか戸惑っていたのが、今では、オモチャや遊具なんてなくても、自然の中で遊びを「創って」自由に遊びはじめました。裏山や地域の里山が「自分たちの遊び場」になってきたようです。

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そんな現場も、そうなっていくプロセスも、すべてアカデミーの学生にとっては最高の実習場所になります。

子どもたちと(特に幼児と)接したことのないような学生も、次第に子どもたちに教えられながら、「いい感じ」へと成長していいきます。

幼児が自然の中で解き放つとんでもなくクリエイティブな発想と、ストレートな言葉、くったくのない表情は、カチコチと固まってしまった学生たちの本来持っているチカラを少しずつ目覚ませてくれます。そう、子どもたちこそが先生です。

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机の上で本や論文を広げて、子どものことについてしきりに学ぶよりも、こうしてホンモノの自然の中で、毎日のようにナマの子どもたちと対峙し、直接感じたり、子どもから教えてもらいながら成長していくことの方がどれだけ意味がある学びになるでしょう。そしてそうした人の方がはるかに優れた指導者になれると私は信じています。

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また現場では、今までに習った森の整備や自然科学の知識・技術が生きてくる場面も多々あります。あるいは、「あれ?どうしたらいいんだっけ?」と焦る学生もいます。必要になってから忘れていたことに気づき、もう一度学び直すことで、しっかりと知識や技術もしみ込んでいくことでしょう。

学生さん、とにかく森、とにかく人、これを大切に卒業後の自分に向けて頑張って下さい。

(報告:なんちゃってせんせい 萩原・ナバ・裕作 )

 

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