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2019年02月05日(火)

建築 環境工学の実地研修

エンジニア科林産業コースの「建築計画・環境工学」の授業。建築士受験資格のための必須授業です。
前回までは、ひたすら住宅のプランニングや断熱計算などを行っていましたが、今日は実際の断熱施工などの現場で実地研修です。

まずは、贅沢にも開学以来18年間、学内で見ることのできる自力建設の現場。いい勉強素材で、ちょうど断熱施工中です。

クリエーター科の学生が省エネ技術講習の施工編に参加して覚えたグラスウール施工です。柱が見える真壁なので、柱際がきわどいですがしっかりと4周防湿シートの耳を出して、間柱の上で押さえるようにできています。
床はポリスチレンフォーム。気密性能アップのために、気密テープも施工済み。

一方改修の方は天井断熱が終わったところ。隙間があるところは現場発泡ウレタンでしっかり補強しています。(緑っぽいのが垂れているところ)

さて、プロの現場はということで、岐阜市で改修モデルハウスを施工中のひだまりほーむさんの現場に。

現場監督と担当設計の方に案内していただく予定が、社長も同席。贅沢な現場見学になりました。

こちらも、断熱施工を終えたばかり。使用しているのはデコスドライ工法のセルロースファイバー。新聞紙の再利用断熱材で元は木質資源です。さらに、将来の解体時にもリサイクルシステムも完備するエコな断熱材です。
デコスドライ工法は、通気性のあるシート(写真のメッシュ模様のシート)を先張りして、掃除機の逆噴射のような機械で新聞紙を細かく裁断した繊維を壁に吹き込んでいきます。
特徴は、隅々まで断熱材がいきわたること。改修などでは柱が傾いていたりと、複雑な場所も多く吹込みが適しています。
さすがにプロの断熱職人さんの仕事。細かいところまでばっちりです。
床と壁の取り合いや壁と天井の取り合い部分などの気密性を向上させるポイントを現場で話しつつ、いろいろ見せていただきました。

とりあえず、現場がきれいで、丁寧に施工されています。建設現場に来るのが初めてというエンジニア科の学生も興味津々でいろいろ見てました。
上の写真に写っている板は、杉の浮造りフローリング。ほぼ無節のきれいな板が出番を待っています。

新築のモデルハウスはいろいろありますが、岐阜県では初?の改修のモデルハウス。今後、地域の町並みや資源を守るためにも改修をしっかり行えることが必要になります。アカデミーで行っている木造建築病理学もその一つ。
こんな改修もできるのかという良いモデルになることを予感しました。

来月には竣工予定で急ピッチで進んでいます。竣工したら再度、学生を連れて、気密測定も行いつつ、いろいろ体感してみたいですね。

准教授 辻充孝