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2018年09月26日(水)

二年間の集大成 課題研究の中間チェックポイント

自ら見つけたテーマや課題に向き合って、多くの時間をかけて行う課題研究。これをきっかけにライフワークに発展している卒業生もたくさんいます。

早い学生は1年前、いやいや入学前からのテーマをより深めようと取り組んでいます。

今回は、クリエーター科2年生がそれぞれの進捗を発表し、質疑やアドバイス等をクリエーター科全員+教職員から受ける形で課題研究中間発表が行われました。

林業、森林環境教育、木造建築、木工、或いはそれにとどまらないテーマで進んでおり、20分毎(10分発表、10分意見交換)に、発表者が変わり広い分野での研究報告を聞く濃密な時間になりました。

個人的に気になったテーマの一例を紹介します。(最終段階では変わっている可能性もありますが)

「森林調査の効率化におけるドローンの活用について」
世間でよく聞くドローンの定義から撮影後に具体的な編集を経た3D画像、森林調査で効果的に活用できる可能性の模索までの丁寧な発表でした。私の建築分野だと、先日の北海道胆振東部地震での液状化などで、交通手段が限られる調査などでも活用できそうな可能性を感じました。

「ものを大切にし、長く使い続ける文化の再生に向けて」
昔の家具や物はそんなに高級でなくても使い続けていく中でストーリーが出来上がっていくのに対し、現在ではストーリーを商品価値に加えお金でストーリーを買っていることも起こっている。確かにそんな感じも受けますが悪いことばかりではありません。ストーリーを買う事で、時間をショートカットして愛着が生まれるのもその効果。使い続けることの大切さを再認識する発表でした。そのためには、将来にわたって手に入るオープンな素材(木材もその一つ)と技術が残っている必要があり、建築においてもしっかり意識していく必要を感じます。

いかがですか。建築専門の私が聞いても、いろいろ気になる内容が盛りだくさんです。
そのほかにも、興味深いテーマでの発表があり、普段あまり意識していない視点で突き詰めていくといろいろ新しい気付きが起こります。

最終の課題研究講評会は、2月18日(火)、19日(水)予定です。
ぜひアカデミーに来ていただき森林や木に関わる幅広い分野の新しい流れを感じてほしいです。

准教授 辻充孝