森と木のクリエーター科木工専攻

地域材を用いた木工品の企画製作や、木工・木育講座の企画運営ができる、新しい時代の木工技術者を目指す

 いま地域社会の様々な場所で木工技術を持つ人が活躍を期待されています。たとえば魅力的な製品を作り、森林資源に新しい価値を生み出すこと。楽しい木工や木育の講座を企画して、地域の森に関心を持ってもらうこと。そんな能力と意欲を持つ人材を育てるのが木工専攻です。

 そのために、木の特徴を知り、適材を適所に使う知識と技術を学びます。手道具や機械を正しく安全に使えるよう実践を重ねます。そして小物、家具、木育、グリーンウッドワークなど様々なジャンルの中から卒業後の活動の柱となるものを選び、課題研究などを通して深めていきます。

Features 学びの特徴
「手工具」まずは道具の使い方から
特色 1
「手工具」まずは道具の使い方から
入学時は木工の未経験者が大半。小物や家具製作に使うノミ・カンナ、グリーンウッドワークに使うオノ・ナイフなど、多様な手工具の使い方を学びます。
地域資源の価値を高める「デザイン・製作」
特色 2
地域資源の価値を高める「デザイン・製作」
森から得た木材の魅力を引き出し、使い手の暮らしに寄り添うデザインと、木工機械を活用した丁寧で実践的な製作技術を学びます。
「木育」 もの作りを教育や暮らしの中に落とし込む
特色 3
「木育」 もの作りを教育や暮らしの中に落とし込む
もの作りの技術を活かした木育講座の企画や実践を行い、森や木に触れる場作りの手法、ワークショップの運営スキルを身に付けます。
「地域材活用」森と繋がるもの作り
特色 4
「地域材活用」森と繋がるもの作り
林業専攻の学生と行う広葉樹の伐採実習など、自ら丸太を製材・乾燥してもの作りを行う体験を通じて、地域の木材資源を活用する技術を学びます。
木工×「デジタルファブリケーション」の実践 
特色 5
木工×「デジタルファブリケーション」の実践 
CNCやレーザー加工機などのデジタル技術と手作業を組み合わせ、地域材の特性を活かした木工製品の製作方法を実践的に学びます。
「伝統技術」職人から学び、体験する
特色 6
「伝統技術」職人から学び、体験する
弁当箱やせいろなどの曲げ物、竹籠を編む竹細工、漆塗り、鍛冶体験など、伝統的な技術を職人から学び、体験する実習があります。
「地域連携」多様なプロジェクトで現場を学ぶ
特色 7
「地域連携」多様なプロジェクトで現場を学ぶ
木育講座の企画や木工製品の開発などを、県の施設や地域の企業と連携したプロジェクトに参加しながら学ぶことができます。
「経営学」木工や木育で生計を立てるために
特色 8
「経営学」木工や木育で生計を立てるために
ものを作るだけでなく、事業として運営できる人材を育てるため、「木工の経営学」や「木工事例調査」などの授業があります。
自分だけの強みを育てる「課題研究」 
特色 9
自分だけの強みを育てる「課題研究」 
木工を軸に、自分が関心を持つテーマを見つけ探究します。技術に加え、自分らしい視点と発想力を育み、個性と実力を磨きます。
Keywords 学びのキーワード
Licenses 取得を目指す主な資格

木工や木育を実践するために必要な資格は、特にありません。
森林文化アカデミーで木工を学んだ卒業生の中には、岐阜県から「ぎふ木育推進員」を委嘱され、県内各地でさまざまな木育活動を行っている人たちがいます。

Future 卒業後の姿
地域の材料を生かし、地域の暮らしをよりよくする木製品の企画製作を行う。
大人や子供が楽しみながら森や木に触れられる木工・木育の講座の企画運営を行う。
地域文化や伝統技術を評価し、継承のための新たな枠組みを構築し、実践する。
Job 卒業後の進路の内訳

森林文化アカデミーの木工専攻は、家具製作に限らず幅広い木工や木育の人材育成を行っているため、卒業後の進路も多岐にわたります。
年代別に見ると、20代〜30代半ばまでの学生は、卒業後にさらに技術を深めるために木工房などへ就職することが多いです。一方、30代後半以降の学生は就職先が限られるため、自ら起業することが多くなります。数は限られますが、中には50代の学生が社会人時代の能力を買われ、木育の事業体に就職した例もあります。
就職先としては、家具工房、木工旋盤教室、製材・木材加工業、銘木店など、様々です。森林組合で木工や木育事業を担当する職員として就職した事例もあります。
起業では、木工作家、グリーンウッドワークのNPO法人、竹細工、下駄、曲げわっぱなど伝統工芸系の工房などがあります。最近では、卒業生が起業したこれらの工房や事業体へ、若い卒業生が就職する事例も増えてきました。
また、教員や保育士として勤務してきた人が、卒業後にふたたび教育や保育の現場に戻る例もあります。
地域おこし協力隊員として、全国各地の自治体で森林資源を生かした地域づくりに取り組む卒業生もいます。
特に30代半ば以上の人が仕事を辞めて入学を志す場合は、卒業後にどのような進路があるか、就職が可能な工房や事業体はあるか、すぐに起業することはできるのかなど、よく検討しておくことを勧めます。

卒業後の進路の内訳
Interview 卒業生インタビュー