木工専攻
卒業生の進路

草刈 万里子

林野庁からアカデミーへ 身近な森を利用する楽しみを広める

プロフィール

1981年生まれ  森林管理署(国有林)で7年間働き、森林官として現場業務も体験。2015年にアカデミーに入学し、ものづくり講座を専攻。木工の基礎、グリーンウッドワークを学び、2017年から北海道で地域おこし協力隊をしています。


質問1)今の仕事内容を教えてください。

北海道勇払郡むかわ町で地域おこし協力隊をしています。

「観光振興」の分野で採用されており、交流人口の推進を目指す協議会の事務局として農家民泊やイベントを運営しています。

それ以外の部分では、むかわ町穂別には廃校になった小学校を活用した「木育の学校」というものがあり、そこで小学生を対象にした木工作をしたり、一般市民向けに生木を使ったグリーンウッドワーク講座を開催したりしています。地域おこし協力隊としてではなく個人としての活動も許されているので、グリーンウッドワークの出前講座に行くこともあります。

質問2)今の仕事で大変だなと思うことと、やりがいを感じることを教えてください

大変でもあり、やりがいも感じているのは、一緒に木(樹木、森林)を楽しむ仲間を増やすことです。人脈・地域事情に乏しく、なかなか思うようには事が前に進まないのですが、農家民泊で知り合った方がグリーンウッドワークにはまって応援して下さるなど嬉しいつながりができました。また、自分は子ども向けの「木育」は苦手なのですが、参加した小学生に「また来年もこれがやりたい!」と言われたのはとても嬉しかったです。

 

質問3)今の仕事を通して社会にどんな貢献をしていると感じますか?

自分のやっていることのうち「木に関すること」は社会貢献とは捉えておらず、自分の信じる「暮らしと木が寄り添うことは歓びである」ということを体現する行為だと思っています。課題研究のテーマであった「森林資源の自給的活用」を実践、普及をしているつもりです。

そういう活用を知らなかった人が「こういうやり方なら自分で木が使えるんだ」と知り選択肢が広がること、またそういう人が増えることで社会がもっと楽しくなるのではないでしょうか。

質問4)森林文化アカデミーに入ったきっかけは?

森林が好きだからと国有林で仕事をしていたのですが、仕事として携わる大規模な森林施業と「自分の暮らし」に乖離を感じていました。また、林業という観点でも自分が一場面しかみていないことでモヤモヤとしており、次のステップを考えていました。アカデミーは川上から川下までを学ぶ機会があることが魅力的だったので入学しました。

 

質問5)アカデミーで得た学びは何ですか?

知識や技術はもちろんですが、「試行錯誤したものがブラッシュアップされて、よりよいものになる」ことを実感できたことが大きいです。モノをつくるにしてもプログラムにしても、悩んで、苦しんで、やってみて、また悩んでという繰り返しで、1年時の「商品化・教材開発」は先生方の追求も厳しく辛かった授業のひとつですが、この試行錯誤のプロセスは大きな学びでした。

 

質問6)専門分野以外の授業やプロジェクトで、役に立ったものはありますか?

「樹木同定」の授業では植物をみるポイントやマニアックな愛で方を知り、より植物を身近に感じられるようになりました。一般論としての樹木同定ではなく、ひとつひとつに個性を見出して愛でるのが楽しく、お互いの愛でポイントを話すことで更に楽しみが増すという、私の今の仕事でも大切にしている視点を得ました。「木材の販売戦略」では、木材流通を分析的に学べたことが、木材業界の方と話をする時に役立っています。また、「聞き書き」や「都市農山村交流」を通じて、資源を持続可能に使うための凝集された先人の知恵やお金ではない資源を持っている豊かさに触れることができたのは、自分の価値観に影響を与えたと思います。

草刈さんが在学中に取り組んだ課題研究をまとめた冊子「里山スプーン」より。

 

質問7)アカデミー入学前の仕事が、今に活きていると感じることはありますか?

入学以前の仕事も森林がフィールドだったので、前職の人と連携した仕事をする機会がありました。北海道は国有林の割合が高いですし、今後、国有林の人と一緒に仕事をする機会は増やしたいし増えていくと思うので、前職の経験は直接的に活きていると感じます。

 

質問8)今の仕事をしていく上でのモットー、若い人へのメッセージは?

納得できないことは、何に違和感を感じるのか突き詰める。

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