木工専攻
卒業生の進路

吉田 理恵

公立中学校国語教師から、人と木・森をつなぐNPOを立ち上げ運営

吉田理恵さん 

プロフィール

出身地:岐阜県関市
職場:観修寺「通称いちょう庵」(関市小屋名974)内  
NPO musubi
メール:eir1.1nok50.68@gmail.com
HP :sites.google.com/mokuiku-musubi.com/web

岐阜県公立中学校で国語の教員として約10年勤務、アカデミーでは木工専攻


質問1)今の仕事内容を教えてください。

NPOmusubi代表、ぎふ木育推進員、関市生涯現役支援員兼生活支援コーディネーター、美濃市放課後子ども教室コーディネーター兼支援員

質問2)今の仕事で大変だなと思うことと、やりがいを感じることを教えてください。

複数の役割を担って活動していますのでそれぞれ違った大変さを感じています。NPO(法人格を持たない任意団体)の代表としては、自分で仕事を作っていくことお金の流れを生み出していくことなど、組織の運営について考え続けています。行政からお金を頂いて動くお仕事については、その立場をわきまえつつ、市民県民の皆さんから徴収された税金をどのような企画や事業で還元すると本当に有効なのか?そんなことを頭の片隅に置いてお役に立ちたいと思って活動しています。

それぞれ違うお仕事に見えますが、私の中では全てが「木育」というキーワードで繋がっているため、「大変なこと=やりがい」「やりがい=喜び」という感覚です。

質問3)今の仕事を通して社会にどんな貢献をしていると感じますか?

私の全ての仕事に共通させている「木育」を通して、地域の課題の一部を少しだけ解決に近づけているのかな?と思っています。例えば、風倒木を何とかしたいという地域から依頼を受け、その地域らしい教材とプログラムを開発し、講座で小刀指導をして、高齢者にボランティアで指導のサポートをしてもらう・・・人も森も元気にしていく取り組みにしています。アカデミー在学中から私が課題として取り組んでいたのは、「人の繋がり」でした。繋がる手段として「木育」がうってつけの考え方であると感じています。

吉田理恵さん木育教室

質問4)アカデミーに入学を決めたきっかけは何ですか?

育児休業中に美濃市の子育て支援ボランティアとうだつの上がる町並み観光案内ボランティアをしていました。子育て支援の方は同世代の人たちとの交流になり、観光案内ボランティアの方は自分の親世代、或いはその上の世代の方との交流の場でした。その中で、二つの世代に交流が少ないことを実感し、でもそれが求められていることを体感しました。

また、自分の子ども達が観光案内ボランティアの皆さんや、観光客の方にまで可愛がっていただいてる様子を見て、「子どもの健やかに成長には多くの立場・年齢の人たちと関わることが重要である」と感じ、どうしたらそれを実現できるか方法を模索していたところ、子育て支援ボランティアの活動場所「みの赤ちゃん木育ひろば」の監修をしていらした松井教授にお声がけ頂き入学を決めることとなりました。

質問5)アカデミーの学びで役に立ったことは何ですか?

川上(森の様子や林業)から川下(木材生産・流通・木育)までトータルに、また幅広い視点で学べたことです。植林や下草刈りに始まって製材工場から作家さんや職人さんまで、実際に体験し見聞したことで、私の目指す「人づくり」と「森づくり」を繋げて考えられるようになりました。木を育てて一人前にすることと、人材の育成には非常に共通する部分が多いと感じ、私なりの「木のものづくり」「木育」という考え方を構築するに至りました。また、どの先生も私の素朴な疑問や稚拙な質問にも真摯に答えて下さって、授業ではないところで学ぶことも沢山ありました。そういった本筋から外れた部分が今、幅広い内容でお仕事の依頼が入る時に役立っています(笑)
学んだ知識を実践する授業や場面場所があり、卒業後に直結していくこともあります。

質問6)専門分野以外の授業やプロジェクトで、役に立ったものはありますか?

私は子育てをしながらの学生生活でした。そのため他の学生さんが色んな授業を履修できる中で本当に最低限の履修で卒業に必要な単位も危ぶまれるような一瞬もありましたので、多くに関われた訳ではありませんでした。

卒業後の現在、木造建築に関する授業は木工の延長線にあると改めて感じていて、脱炭素や炭素固定などを考えていく上で木の建築物は重要です。その重要性をどうやって知ってもらうか?というところに「木育」の考え方や活動が活かせると考えているので、今も困ったことがあるとアカデミーに立ち寄って、木造建築の先生にアドバイスをもらったりします。もう少し授業に出られたらよかったな~と思っています。卒業後に岐阜県が主催する「木造住宅相談員」の研修を受けました(笑)

吉田理恵さん木育教室

質問7)アカデミーの学生生活で印象に残ったことは?

学生室でのおしゃべりです(笑)アカデミーでは学生の年齢も幅広く、またそれまでの経歴も多岐にわたります。エンジニア科の学生さんたちと合同・共同で行う授業も興味深いものでした。授業に関すること、卒業後や仕事に関すること、自分のプライベートなことも、信頼のおける仲間と心行くまで語り合った時間はとても充実していました。仲間から𠮟咤激励を受けたり、一人一人が持っている専門的スキルからアドバイスをもらったり、時にそっとしておいてくれたり…。たった2年間でしたが出会えた仲間や繋がりは一生の宝だと思います。

質問8)アカデミー入学前の仕事が、今に活きていると感じることはありますか?

「活かしてなんぼのもの!!」と思っているので、何とかして活かそう、繋げようとするのが私スタイルです。特に小学校や中学校、高校へのアプローチへは過去の肩書をこれでもか!というほどPRします(笑)過去の経験(仕事)は良い思い出も辛い思い出も含めて今の私を作ってくれています。だから、過去の私にも未来の私にも胸を張れる。そんな人生を送りたいです。

吉田理恵さん小学校での木育教室

質問9)今の仕事をしていく上でのモットー、若い人へのメッセージは?

大切にしているモットーは二つあります。一つは「人らしく、女性らしく、私らしく、私ならでは」。男女平等も大切ですが、私がもつ女性という“性”を活かすことも同じくらい大切だと考えます。何かを生み出すためには偏り(片寄り)がないようにしないといけないと感じているからです。二つ目は、学長がいつも口にされていた「現地現物主義」。教員として働いていた頃からの私のモットーであり、これからも大切にしていきたい行動指針です。

コロナ禍を経て色んな事が変わりました。変わっていく世の中で、変わらないもの、変えてはいけないものは、自分も含めた“誰か”や“何か”に対する「思いやり」と、そこから派生する「繋がり」だと感じています。森林文化アカデミーという繋がりは実はとても影響が大きいことも実感してます。私の立ち上げた団体「musubi」は、アカデミー16期生同期を始め、後輩卒業生やぎふ木育推進員、ぎふ木育指導員、先輩卒業生も含む濃淡ある「アカデミー関係者」で成り立っている団体です。私自身が卒業後も色んな環境に影響されながら、模索を続けています。私がそうであったように、きっと他のみなさんも多かれ少なかれ、分かってくれそうな人に相談したいと思うのではないでしょうか。卒業された方もこれから入学をされる方も繋がっていける団体になるのも面白いと考えています。以前、アカデミーの入学を検討していた昔の教え子が「HPに載ってるの先生ですよね?アカデミーってどんな感じでしたか?」と連絡をくれて驚きました(笑)。ぜひお気軽にご連絡ください。