木工専攻
卒業生の進路

遠藤 智史

未就学児から大学生までの教育現場で、「森と木」をテーマに伝えることと木で作ることに取り組む

プロフィール

1989年 生まれ
出身地:(埼玉県)
職場:
学校法人自由学園 環境文化想像センター専任
みらいく保育園 木育講師
NPO法人木づかい子育てネットワーク スタッフ


質問1)アカデミーに入学を決めたきっかけは何ですか?

これまで小中高大学で木に触れることが多かったことから、更に学んでみたいと思いました。アカデミーでは、より専門的に実社会に即した実践が豊富であることを魅力に感じました。

質問2)アカデミーの学生生活で印象に残ったことは?

課題研究では岐阜県美濃市のウッドスタート事業を取り上げ、地域材を活用したおもちゃ作りを市内で全て完結させることを目標にして仕組み作りを行ないました。参考になる前例が無かったことから多くの関係者にご協力いただき、そういった市の事業を学生が主体的に動かしていくことが出来る課題研究があったからこそ、その後の仕事のベースを構築することができたと思います。

他にも、多くの専門家の方が非常勤講師として招かれ、技術的な話しや現在の課題など生の声を現場で聞くことが出来たこともよい学びとなりました。木工の分野では、鑿や鉋の仕込みから大型木工機械を使って一通りの制作体験を行うことや、木材同定で樹種を見分けられるようになったことなど、決して手を動かして物を作る仕事ではない道を選んだ私でも、今の仕事には常に活かすことが出来ていると実感しています。

質問3)今の仕事のやりがいは何ですか?また、今の仕事を選んだ理由をお聞かせいただけますか?

今までの仕事全てにやりがいを感じてきました。アカデミーの学びを活かせる仕事・働き方を選んでいっています。

前職のNPO法人では、主に地域材を活かした木製のおもちゃを企画・開発する業務に従事してきました。それらのおもちゃが暮らしや子育てを豊かにしていくこともできれば、森や環境を考えるきっかけにもなる、そういった魅力が小さなおもちゃにたくさん詰まっていました。日本で育つ子どもたちが、もう少し日本の木のおもちゃに触れながら成長しても良いじゃないか?という代表の一言は、とても腑に落ちるものがありました。

現在は主に、未就学児から大学生までの教育現場で、「森と木」をテーマに伝えることと作ることに取り組んでいます。

学校法人自由学園では、「木の学び」という取り組みを担当し、60年に渡る高校生の植育林活動とその利用をつなげるプロジェクトや、学内の随所で繰り広げられる「木と命の循環」について、生徒たちと共に学びを深める活動しています。

一方で、みらいく保育園では、保育の中で取り組む木育を、保育士さん自らが実践できるようになっていくためのサポートをさせていただいています。ここの保育園の魅力は、各園が大都会の中にありながらも、「みらいくの森」という郊外にあるフィールドを活かして、日々の保育の中で豊かな心を育むための木育として実践されていることです。その「みらいくの森」の木をどのように活かしていくことができるか、ゼロから形をつくっていくことが私のお題です。

NPO法人木づかい子育てネットワークの方では、港区の小中学生を対象に行う木育授業や、その他の木育の取り組みに関わらせていただいています。

質問4)アカデミーの学びで役に立ったことは何ですか?

ほとんど全ての学びが役に立っています。どう役立たせるかは本人次第だと思っています。

質問5)今の仕事で意識していることは何ですか?

アカデミーで学び得たことを活かす意識を常に持っています。 働きすぎで倒れないことを強く意識しています。