【視察報告】道総研林産試験所を訪問しました
木造建築専攻の畑佐です。
北海道視察、3日目の最後は、旭川市にある北海道立総合研究機構・林産試験場を見学しました。
林業試験場とは別に独立して存在しているのが特徴で、木材利用に関する研究を専門的に行っている施設です。

(看板はさすが木材)
今回は、同試験場の平舘さんに試験場内を案内していただきました。
まず、近年の研究内容について紹介していただきました。北海道ではトドマツやカラマツが主要な樹種ですが、どちらもヒノキやスギと比べると扱いが難しい木材です。
特にカラマツは成長の過程でねじれやすく、繊維傾斜が45度ほど傾いて育つこともあるとのことで、製材や乾燥の面で課題が多いと伺いました。
こうした課題に対応するため、林産試験場ではカラマツの住宅利用を促進する研究として「コアドライ」という新たな乾燥技術を開発していました。
既存の木材乾燥機をそのまま使えるため、設備投資が不要という点が大きなメリットとのことでした。

(カラマツ コアドライ)
また、カラマツの大径化が進む中で、成熟材の特性を生かした構造用集成材や単板積層材(LVL)の開発も行われていました。
さらに、広葉樹の不足を背景に、トドマツを内装材として活用するための圧縮木材の研究も進められており、地域材の可能性を広げる取り組みが印象的でした。

(トドマツ 圧縮木材)
研究室のほかにも、キノコの品種開発を行う部門や、ボード類の研究室、実大試験が可能な構造実験室など、幅広い設備を見学させていただきました。
製材機は傾斜帯鋸盤が使われており、試験のために曲がりや割れのある丸太を挽くことがあるため、傾斜の方が丸太を安定して保持できるという説明も興味深かったです。

(正面から撮れていなかった・・・傾斜帯鋸盤)
地域の木材を生かすための技術開発や、新しい利用方法の提案など、林産試験場の取り組みはどれも面白く、木材の多様な可能性を改めて感じました。
お忙しい中、長い時間ご案内いただいた平舘さん、本当にありがとうございました。
3日間で計7か所を訪問し、研究から製材、加工、そして目立てまで、北海道の木材産業を一気に立体的に見ることができました。
それぞれの現場で伺った技術や課題、そして地域材を生かすための工夫は、今後の研究を進めるうえで大きなヒントになると感じています。今回得た学びをしっかり自分の中に落とし込み、これからの研究に活かしていきたいと思います。
木造建築専攻 畑佐