銘建工業株式会社の工場見学に行きました
令和8年6月18日に、岡山県真庭町にある銘建工業株式会社様(※以下「銘建工業さん」と書かせて頂きます。)の工場見学に行きました。
当日伺ったのは、石原先生と自分であり、銘建工業の藤崎様のご説明により、工場内の色々な設備を見せて頂きました。

【検索したら飛行機の案内が出ました】
銘建工業さんは創業1923年と百年以上の歴史を持つ会社であり、最初は製材所としてスタートされたのですが、現在は集成材、CLTのほか、バイオマス発電の設備を持ち、また木造建築の設計・加工・施工まで手掛けておられ、西日本だけでなく全国的に見ても非常に規模の大きな会社です。
以前、私が読んだ本「里山資本主義(角川新書 藻谷浩介)」の中でも木質バイオマス発電の取り組みについて、銘建工業さんの事が紹介されております。
まず最初に社屋を見せて頂きました。中はとても広く990㎡もあるそうですが、中が解放的で空間が広く、かつ意匠性に富んでいてすごい!会社のオフィスというよりまるで図書館みたいで、以前行った高知県梼原にある「雲の上の図書館」を思いだし、また前職の職場の殺風景な風景も、対比して思い出してしまいました。

社屋は自社で製造している製品を贅沢に使い、意匠性とともに強度性・耐震性にも配慮し、正面の格子で横荷重を、天井の梁(というべきか?)で奥行方向の耐震性を持たせているとの事でした。ちなみに格子は150㎜×800 ㎜もの巨大な梁材となっております。
岐阜県内には主製材やCLTを製造する工場はありませんが、銘建工業さんでは中断面の集成材だけでも年間32万㎥もの生産をしております。
次いで中段面工場の中を案内していただきました。製造の流れとしては以下のようになるそうです。
1)ラミナの品質検査(含水率測定、モルダーで寸法を整える、強度等級区分)
2)選別・仕分け(外観検査、水分検査等による)
3)接着(材の組み合わせ、接着剤塗布、積層)
4)プレス
5)仕上げ加工(四面プレーナー加工、目視検査)
6)梱包・出荷

【プレス(3mモノと6mモノ)のラインがあります】

【縦型コールドプレス】
ごく簡単に書いてしまうとこんな感じなのですが、それぞれの過程で様々な作業が行われております。
備忘までに、見学中に見聞きした事を以下に列記させていただきます。
・中断面工場は2000年頃から稼働しているが、2005年にフィンガージョイント(材と材をつなげるため小口にギザギザの加工をする)の機械を導入し、ここから本格稼働となる。
・材料(ラミナ)は欧州アカマツがメイン
・製造過程で出る木の皮(バーク)や切削屑、端材は敷地内でバイオマス発電の燃料や、ペレットとして使われている。
・ラミナはまず強度測定をして、強度別に分類する。分類するのは集成材の構成上の理由(上下は高強度のもの、真ん中に強度の下がるものを配置/真ん中は力学的に中立軸だから圧縮や引張力がかからないのでOK/こうして無駄なく材を使う事が出来る)
・プレスする際に温度を与える必要はない(15~20℃程度でOK)
・プレスするときに使う接着剤は水性高分子イソシアネート系接着剤で、塗布して1時間程度で固まる。
・集成材の表側は木表が来ることを基本としている。(ただ仕様により変わる事もある)

・ラミナは基本外材だが、最近は国産材の要望も増えてきている。CLTは全部国産材を使用
・バイオマス発電の発電量は5,000kw/hにもなる。( 10,000kw/hの発電機も別にある )
・1日24時間、1年を通じてほぼ毎日稼働しており、この電気は中国電力に売却している。
・また、焼却時の熱で木材の乾燥を行っている(90℃以下の乾燥に利用)
・製造過程で出る木の皮(バーク)や切削屑、端材は、昔は産廃処分していたが、これを発電燃料等としている格好で、設備コストもかかるが収支としては「トントン」である。


また移動の道中で「木テラス(CLTトイレ)」を見せて頂きました。この建物はJR姫新線の久世駅に併設されており、トイレとしてはもちろん、サイクリングステーションとしても活用されているとの事でした。

出来てから、かれこれ9年になるそうで、さすがに手前のベンチなどは退色が見られましたが、CLTとしての機能は保持されており、接着剤に面している材の腐食・腐朽が進まない限りは大丈夫との事でした。
木テラス(CLTトイレ)|勝山・久世のバイオマス|真庭観光WEB
お仕事ご多忙な折、お時間を頂き色々と見せて頂きまして、誠にありがとうございました。この場をお借りして御礼申し上げます。
なにより、木材がちゃんと産業として成り立っている地域を見る事が出来たのは、アカデミーの学生としても喜ばしく、励みになります。
木造建築専攻 髙木