安藤 千寿香
美濃の竹文化を受け継ぎ、製品づくりや講座を通じて伝える

長良川鵜飼の鵜籠を編む
プロフィール
高校生の頃から環境問題に関心があり、大学時代は建築(農村計画)を学ぶ。森林文化アカデミーでは木造建築と環境教育を専攻。移住交流や木育などに関わる仕事をした後、2012年に「竹細工」に出会う。現在は、安藤竹細工店を主宰。NPO法人グリーンウッドワーク協会竹部会に所属し、竹林整備、竹細工製作、竹細工講座の運営及び技術指導などを行う。代表的なものとして、長良川の鵜飼に使われる鵜籠を製作している。
質問1)今の仕事内容を教えてください。
竹細工の受注製作(主に伝統文化や伝統産業に関わるもの)、竹細工教室の運営及び技術指導、生涯学習講座やカルチャーセンターなどでの出張講座、竹材確保のための竹林管理をしています。

森林文化アカデミーの授業で竹細工の指導をする安藤さん
質問2)今の仕事で大変だなと思うことと、やりがいを感じることを教えてください。
大変だと思うのは、育児との両立です。どちらもいくらでも時間をかけられるので、時間のバランスが悩ましいですね。やりがいは、自分が作ったものや教室の生徒さんが作ったものが身近な暮らしの風景を作っていると感じられることです。

森林文化アカデミーの竹林整備の実習 卒業生の安藤さん(左から3人目)と鬼頭伸一さん(中央)が指導に当たる

竹細工職人たちが自ら竹林整備や収穫を行っている
質問3)今の仕事を通して社会にどんな貢献をしていると感じますか?
伝統的な産業や文化を、竹細工の道具を通して下支えしています。
これまでに、長良川の鵜飼に使われる鵜籠、郡上本染の籠、神社の祭礼用の籠、玉入れ籠などを製作しました。

郡上本染の籠

美濃の手漉き和紙に使われるねべし籠

明宝白山神社の祭礼の籠
質問4)アカデミーに入学を決めたきっかけは何ですか?
日本環境教育フォーラムが主催する『NEC森の人づくり講座』に参加したときにアカデミーの存在を知りました。大学時代から興味があった木造建築と環境教育の両方を学べる学校と知り、興味が湧きました。特に木造建築の「自力建設」が魅力に感じました。
質問5)アカデミーの学びで役に立ったことは何ですか?
自然と人との距離感、森林資源を使いながら環境を良くするという感覚が身についたことです。
高校生から大学生の頃は、「自然環境を守る(環境問題を解決する)ために、何をしなければならないのか」という考えでしたが、アカデミーで学んで人の営みによって守られている環境があることを知りました。竹林整備をすること自体が目的ではなく、竹を使うことで結果的に良い環境になれば良いと思っています。
質問6)専門分野以外の授業やプロジェクトで、役に立ったものはありますか?
チームビルディングやファシリテーションなどの授業。それぞれの人の役割や自分の役割などを考えさせられて興味深いと感じました。特に、アサーティブコミュニケーションの授業が印象に残っています。

森林文化アカデミーの学生たちに竹細工の活動について説明する、安藤さんと鬼頭さん

質問7)アカデミーの学生生活で印象に残ったことは?
日々の飲み会でいろんな人のいろんな意見を聞いたり、話したりしたことです。特に、私はまだ社会人経験がなかったので、キャリアチェンジを考えている30~40代の方の、これからどう生きるか、何を仕事にするか、という考え方はとても興味深いと感じました。
質問8)アカデミー入学前の仕事が、今に活きていると感じることはありますか?
大学時代の建築設計のプレゼンテーションや自然環境教育のボランティア活動の経験などで、ものをつくることや体験を通じて相手に何を伝えるかを考える癖がついたことが今に活きていると感じます。ツールが「竹細工」になったという感覚ですね。
質問9)今の仕事をしていく上でのモットー、若い人へのメッセージは?
好きこそ物の上手なれ。好きだから続けらける、それに尽きると思います。