【授業報告】2026家具の製作
今年度の収納家具の授業では、林業専攻の塩田先生の部屋に置く収納棚の製作を行いました。 製作したのは木工専攻の2年生です。今年は2名だけでの製作となったため、1人あたりの作業量や考えることも多かったと思いますが、2人で協力しながら進めていきました。

材料は、これまでの演台や書棚の製作に引き続き、飛騨市産の小径広葉樹を使用しています。今回は家具本体の樹種として、アサダとミズキを組み合わせて使いました。
小径木は1本の原木から取れる板の量が限られており、幅も狭いため、単一の樹種だけで大きな家具を作ろうとすると材料の確保が難しくなります。今回は赤みのある落ち着いた色合いで重厚感のあるアサダと、明るくやさしい表情のミズキという、対照的な2つの樹種を適材適所で組み合わせることで、小径木ならではの制約をデザインのアクセントとしてうまく活かすことができました。

今回の収納棚で最も特徴的なのは、「石集め」をされている塩田先生のための専用収納になっているという点です。 製作前に塩田先生から聞き取りを行い、お手持ちの石のサイズや普段の保管方法に合わせて、それぞれの収納スペースを設計しました。

引き出しは全部で4杯あり、それぞれの中が細かく区切られていて、集めた石を分類別に整理して収納できるようになっています。引き出したときに一覧しやすく、標本箱のような楽しさのある引き出しになりました。
そして一番下の段は、区切られたオープンの棚になっています。ここにはケースに入らない大きな石の塊を収納します。重量のある大きな石を一番下に置くことで家具全体の重心も安定し、出し入れもしやすい構造になっています。

木材サンプルもたくさんお持ちなので、それらを収納できるスペースも作りました。


曲がりや癖のある小径木は、幅を矧ぎ合わせたり反りを抑えたりと加工の難しさはありますが、いくつかの工夫をすることで個性的で魅力的な家具に仕上がります。また、石という重さのあるものを収納するため、強度や使い勝手も含めて検討を重ね、塩田先生の要望をしっかりと組み入れた使いやすい収納棚になったのではないかと思います。




今年は2名という少人数での製作でしたが、その分、使う人の要望を形にする設計から、小径木の木取り、細かい仕切りの加工まで、一連の工程にじっくりと向き合うことができ、たくさんの学びが詰まった課題になったと思います。今後の製作にもぜひ活かしてもらえると嬉しいです。
木工専攻教員 渡辺 圭