【視察報告】豊田鋸加工所を視察しました
木造建築専攻の畑佐です。
6月1日、西垣林業の豊田工場の方々と共に、愛知県豊田市にある豊田鋸加工所さんを訪問させていただきました。
豊田鋸さんは西垣林業さんの豊田工場内の帯鋸を担当されており、豊田地域の製材を支える重要な存在です。
代表の山本さんにご案内していただきました。
工場内を見せていただき、まず驚いたことは、女性社員さんの多さです。
工場では、8名の社員のうち7名が職人として働いており、そのうち6名が女性でした。

(工場内の様子)
山本さんのお話では、30〜40代の子育て世代の女性を中心に雇っており、出社・退勤時間に融通をきかせるなど、働きやすい環境づくりを進めたことで自然と人が集まったそうです。担当されているのは主に丸鋸など帯鋸以外の刃物ですが、それでもこれだけ多くの女性が活躍している現場を見て、とても驚きました。

(帯鋸・丸鋸以外にも様々な刃物の研磨を行っている)
というのも、私自身「鋸=男性の仕事」という固定観念を無意識に持っていたことに気づいたからです。実際にお話を伺うと、刃物の扱いの丁寧さや集中力といった部分は女性の強みが生きる場面も多いとのことで、働き方を整えることで、これまでこの業界では想定してこなかった層の人たちが自然と集まってきたという点がとても興味深く感じました。
一方で、帯鋸の加工はやはり扱いが難しく、安全面の理由からも女性に任せるのは簡単ではないという現実も伺いました。丸鋸のように機械化が進んだ領域と、帯鋸のように職人技が求められる領域。
その差をどう埋めていくのか、技術継承をどう進めるのか…考えるほどに課題が多く、簡単な答えはないのだと感じました。

(帯鋸を機械にかける山本さんの様子)
また、業界全体としては帯鋸の目立て業者は年々減っており、特に関東では非常に少ない状況だと伺いました。
刃物業界のネットワークとしては「機械刃物工業組合」があり、全国約34社が参加しているとのこと。ここでは、若手後継者も増えつつあり、災害時の助け合いや価格の適正化など、業界全体で協力していく動きがここ数年で活発になってきているそうです。

(ステライト溶着の様子)
豊田鋸加工所さんでは、自動車関連の金属加工用の鋸や、段ボール・リサイクル施設向けの刃物など、多様な依頼に対応しており、製材用帯鋸だけに依存しない経営体制を築いていることが特徴的だと感じました。
特に印象的だったのは、特殊な研磨機が必要な丸鋸研磨にも対応している点でした。全国から依頼が届くほど専門性の高い仕事であり、こうした技術を担う加工所の存在は、産業全体にとって欠かせないものだと感じました。
同時に、これまで私は製材用帯鋸の加工現場ばかりを見てきましたが、金属用や食品用などの領域も含めて、鋸の目立てというのはもっと広い視点で捉えるべき社会的な課題なのだと感じました。
長時間丁寧にお話ししてくださった山本さん、そして社員の皆さま、お忙しい中本当にありがとうございました。
木造建築専攻 畑佐