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2026年05月07日(木)

【視察報告】オーアイ・イノベーション(株)を視察しました

4月24日、静岡県島田市で製材機械の開発・製造を行う「オーアイ・イノベーション株式会社」様を訪問させていただきました。

同社は帯鋸盤・丸鋸盤・乾燥機・選木機など、製材ラインに必要な機械を幅広く手がけるメーカーで、帯鋸と目立て技術の研究にも力を入れています。

 

今回の訪問は、私(木造建築専攻2年・畑佐)が課題研究として「東海地方における帯鋸加工業の実態調査」を進めていることがきっかけでした。これまで文献や既往研究を中心に調べてきましたが、どうしてもイメージしきれない部分が多く、実際の現場を見て理解を深めたいと考えていました。今回の訪問で、目立て技術の流れや現場の空気感が一気に掴め、学びが大きく前進しました。

まずは、経営企画室・室長の太田さんより、帯鋸に関する基礎的な技術について丁寧にご説明いただきました。その内容の一部をご紹介します。

帯鋸の新鋸製作の加工には大まかに以下の8つの工程があります。

(新鋸製作の工程)

帯鋸は使い捨てではなく、目立職人が定期的に研磨・補修を行うことで長く使い続けることができ、より多くの丸太を挽くことができます。 昔はこれらの作業をすべて職人が手作業で行っていたと思うと、その大変さと技術の高さにただただ驚かされます。

工場見学で、現在これらの工程の多くは、機械化が進んでいることもわかりました。

 

(帯鋸用自動ロール機による歪み取りの様子)

(帯鋸自動ロール機の操作盤)

例えば、この機械はコンピューター制御によって、新鋸の腰入れから使用鋸の補修までを1台で行うことができます。鋸の表面を高速でスキャンし、歪みのある部分にピンポイントでローラーを当てて矯正していく様子を実際に見ることができました。

ただし、機械だけで仕上げられる精度はおよそ70〜80点ほどで、最終的に高い精度を出すためには、やはり熟練した職人の技が欠かせないことも分かりました。

 

また、オーアイ・イノベーションさんでは平成27年に工場内へ目立て室を新設し、現在は主席技師の真野さんを中心に4名の技術者が在籍されています。全国から研修生を受け入れるなど、かつての「目立学校」を思わせるような取り組みも行われていました。

今回は、主席技師の真野さんから直接お話を伺いながら、実際の作業工程の一部も見学させていただきました。

(腰入れ検査の様子)

こちらは、腰入れ後の状態を検査している様子です。

左手で帯鋸を持ち上げ、右手に持った「テンションゲージ」と呼ばれる定規を当てることで、腰入れの度合いが適切かどうかを確認しています。

この検査は、右手と左手の距離や、帯鋸を持ち上げる高さによって結果が変わりやすく、職人によって微妙な差が出てしまう作業だそうです。

標準化が難しい工程であることを目の当たりにし、改めて目立て技術の伝承がいかに難しいかを実感しました。

 

今回の視察で、目立てについての理解が一気に深まりました。それと同時に、「これはどうなっているんだろう?」という新しい疑問もたくさん生まれ、ますます興味が湧いています。

目立て面白いです。製材機のことも、もっと知りたくなりました。

 

(丁寧に解説してくださった同社の太田さん)

ご多忙の中、ご対応いただいた同社の皆様に感謝申し上げます。

 

木造建築専攻 畑佐向日葵