森林から木材、暮らしへ(林業編)
新学期がスタートしました。
「森林から木材暮らしへ」は、森林文化アカデミーの各専攻を一通り体験しながら、授業の内容や教員の専門分野を知っていくためのツアーです。今日は林業専攻による「演習林散策」が行われました。
はじめは林業専攻の教員による自己紹介からスタートしました。
少し緊張した空気もありつつ、これからどんな学びが始まるのか、期待が高まっていきます。
その後、教室で演習林の地図を広げ、尾根や谷といった地形の読み方を学びました。最初は少し難しそうにしていた学生たちも、3Dの地形模型を使ってみると理解がぐっと進みます。「尾根と谷ってこういうことか」と、目で見て手で感じながら、直感的に地形をつかんでいく様子が印象的でした。

地図と地形模型を見比べながら地形を読み方を勉強します
そのイメージを持ったまま外へ出て、まずは高台へ移動します。これから歩く演習林を見渡すと、地図で見ていた情報が実際の風景とつながり、一気にスケールの大きさを感じることができました。

入林する前に再度地図と模型を使いながら演習林を眺めます
そのまま演習林の中へ入り、未来の森プロジェクトや自然共生サイトについての説明を受けます。森はただ木を育てる場所ではなく、生きものや環境との関係の中で大切に管理されていることを知りました。
さらに歩いていくと、山の神がまつられている場所に到着しました。そこではヒノキの高齢林や大きな杉(アカデミーでは大杉とよばれています)を見学しました。長い時間をかけて育った木々の迫力に圧倒されながら、森の時間の流れを感じます。

伐採した木を搬出するための架線集材の紹介していただきました
そこからはどんどん標高を上げて歩き続けます。途中では三ツ緒切りの跡を見ながら、昔の木の伐り方や林業の歴史についても学びました。森の中には、これまでの人の営みがしっかりと残っていて、今の森林があるのはその積み重ねなのだと実感します。

三ツ緒切りを行った切り株を囲んでどの方向に伐倒したのかみんなで考えました
歩き続けた先には、美濃市を一望できる場所がありました。登ってきた達成感とともに広がる景色はとても印象的で、思わず足を止めて見入ってしまいます。

演習林から美濃市を一望しました
午後は、木を育てることに視点を移します。コウヨウザンなどの成長の早い樹木を見学し、それらがどのように活用されているのかを学びました。さらに皆伐地へ移動し、林業の実習内容についての説明を受けることで、森を次の世代へつないでいく仕組みについて理解を深めていきます。下山後は苗畑へ向かい、苗木づくりを見学しました。小さな苗が、時間をかけて大きな木へと育っていくことを考えると、森づくりの長い時間の流れをあらためて感じます。

植栽した苗木には、単木保護資材や防除柵を設置しています
そして最後にテクニカルグラウンドへ移動し、演習林で伐採された木材を実際に見ながら、木材の規格や価格についての説明を受けました。森の中で見てきた木が、ここでは「資源」として扱われ、私たちの暮らしの中で使われていくものへと変わっていきます。

木材価格などの話を聞くとともに林業専攻での学びについて説明していただきました
こうして1日を振り返ると、森は単に木が生えている場所ではなく、地形を読み、育て、伐り、そして使うという一連の流れの中にあることがよく分かります。森林から木材へ、そして暮らしへ。そのすべてがつながっていることを、自分の足で歩きながら実感できた1日でした。
アカデミーの授業の報告はこのブログなどで行ってきていますが、Youtubeでも林業專攻の学びについて紹介しています。
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林業專攻 中森