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2018年10月31日(水)

教員お気に入りのアイテム10:「削って作るヤスリの柄」池戸 秀隆

 

教員お気に入りのアイテム10:「削って作るヤスリの柄」

紹介している教員:池戸秀隆


私が紹介するアイテムは、チェーンソーの刃を目立てするときに使用するヤスリの柄です。

チェーンソーの刃を研ぐ場合は4㎜から5㎜の棒状のヤスリを使いますが、ヤスリ単体では、それ自体が細く目立て(ヤスリで刃を研ぐこと)が不安定になるため、柄を付けて使用します。

しかしながら、ヤスリの柄と言っても極端に細いものや太いもの、短いものや長いものは使いにくいので、持ちやすく、握りやすいものを選ぶのがよい。と言われています。

私も昔、先輩から手作りで頂いたものや、購入した既製品を持っていますが、自身の手が小さいので、いわゆる「シックリ」くるかどうかの感覚は微妙でした。そこで、いくつか試作してみようと思い、演習林の雑木林に足を運び、材料探しから始めました。演習林に行くと、9月の台風で枝が折れたホオノキ、スギ、ヒノキや授業の実習で除伐されたヤマザクラ、アオキ、アラカシがあり、これらを手ノコで適当な長さに切り分け採取してきました。

 

先ずは採取した材料を「クロスカットソー」を使って10cm程の長さに切り分けていきます。

次に、材料を木工旋盤に固定し回転させながら、ガウジと呼ばれる削り棒を使って、握りやすい柄の形に整えていきます。

 

最後に直径3.5㎜のドリルを使って、柄にヤスリを差し込む穴を開けます。実は、この工程が手作業では難しく、昔はキリを使ってやっていましたが、面に対し直角に穴が開けることができず苦労したものです。機械だと正確に穴が開くのでとても楽で助かりました。

 

こうして6個の柄を試作してみましたが、実際に柄を使って目立てをしてみると「ヤマザクラ」が最も手に馴染みました。手に馴染むかどうかの良し悪しは、採取した材料の大きさや削り方による曲線の違いで、握った感覚がちがってきます。樹種による違いとしては、アラカシとヤマザクラが固くて重く、スギやホオノキが柔らかくて軽い感覚で、模様はそれぞれ個性的でした。

 

これまでに使ってたヤスリ柄を並べてみるとご覧いただいて分かるように、柄のお尻の末端を丸く仕上げたものは手にフィットし、使用していても痛くなりません。今回は丸く削るところまで至らなかったので、時間のある時に仕上げたいと思います。

ちょっとした手の入れ方でお気に入りに近づくのか、それとも遠ざかるのか手加工の面白いところですね。

左から ①先輩からいただいたもの、②既製品、③ナタで削ったもの、④今回製作したヤマザクラの柄

 

池戸 秀隆
林業機械・森林土木
研究テーマ 林業架線
高性能林業機械
林内路網
伐木造材

 

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