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2019年11月30日(土)

2019 ドイツ森林環境教育 視察報告その1「週末焚き火モーニング」

あれよあれよという間に今年も最後の月。月日が経つのは本当に早いものですね。今年もまたロッテンブルク大学との連携協定のもと、森林環境教育をテーマに去る9月末から10月にかけて学生を引率してドイツを訪問しておりました。大変遅くなりましたがその報告を少しずつさせていただきたいと思います。

今年で30周年を迎える森林教育センターの本家ハウス・デス・バルデス(Haus des Waldes ドイツ語で「森の家」の意)の人気プログラム、週末焚き火野外料理プログラムを視察しました。会場に行くと、森林教育センターと言うより、そこはまるでお祭りかマーケットのよう。親子連れやここで待ち合わせて週末の朝を語らい楽しむ人らで賑わっていました。

カウンターに行って料金を払うと、生のソーセージとパンが渡され、隣の焚き火で自分でソーセージを焼くシステム。単に焚き火で料理(木質バイオマス調理)という木育だけでなく、火を囲み、焼けるのを待ちながらなら、初めて会う人との会話も弾み、人と人をつなぐきっかけにもなります。(食べ物と焚き火のダブル効果)

焼けたソーセージにかけるのは、地元のベリーを使ったソース。森の中の恵みや伝統にも気づかされてくれます。そして隣ではアフリカのスープが振る舞われています。世界のつながりにも気づきます。一見、「森林教育なの?」と思われてしまうかもしれませんが、実は、「食」「森」「人」「文化」「世界」と実はSDG’sにつながる大切なメッセージが隠されています。でも、そんなメッセージを表にガーンと出すのではなく、「食」「楽しさ」を前に出すことで、普段は森に興味がない人が森と気軽につながる非常に良い入り口になっているなぁと感じました。

このプログラムを毎回企画実践しているは、いつもにこやかに迎え入れてくれるカリンさん。彼女は長年フリーランサーとして「食」「森」「世界」をテーマにプログラムを実践している方です。年1回、馬に荷物を乗せて子供達がキャラバンしながら野営する人気プログラムの仕掛人でもあります。ハウス・デス・バルデスでは、スタッフが企画・運営するプログラムも沢山ありますが、彼女のようなフリーランサーが企画・運営するものも多く、そのおかげでバラエティーに富んだ魅力的なプログラムが展開されています。食に関するプログラム、フリーランサーをはじめとする他団体との連携による多様なプログラムの提供は、来年度オープンする森林総合教育センター「morinos 」でも真似したいところです。

なんちゃって先生 萩原ナバ裕作