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2018年02月22日(木)

看護大の森林文化体験セミナー

本日は、岐阜県立看護大の学生さん30名が、本学に来られました。

これまで、森林や環境教育、木工と各分野からの講義や実習を受け、森や木に親しみを持っていただきましたが、最終日の今日は木造建築です。

テーマは「温熱環境と健康」「木の風合い変化と手触り」「メンテナンスの楽しさ」です。

最初の90分は看護大ということで、私から人の代謝や疾病の話題、住まいと健康の関わりなど最新の研究知見をもとに、いかに人の健康に住まいが影響しているのかを学んでいただきました。

その後、いろいろな実習を通して、木造建築に触れてもらいます。

まずは、竣工間際の今年度自力建設の「里山獣肉学舎」の仕上げ工事です。

木材各部のサンディングです。削った香りや色目、手触りから、桧、杉といった、岐阜県になじみ深い材種をしっかり覚えていただきました。

仕上がってく充実感があります。

午後からは、10年前の自力建設のメンテナンスです。貫工法を用いた「地空楼」です。

さすがに10年経過すると、各部が銀鼠色に変化しています。これはこれで味わい深いのですが、水洗いやサンディングによってよみがえることを見てもらいました。木造建築は手入れによって、生き生きとしてくる感覚を持ってもらいました。

実家も磨こうかなという学生もいたりとうれしい限りです。

最後は空間体験ということで、2グループに分かれて、過去の自力建設の実測+図面おこしです。

「風の円居」と「ほたるの川床」の各部を図っていきます。普段は意識しない空間の大きさから、建具の納まり、柱の面落ち具合、仕上げの種類などなど、実際に描こうとすると気になる部分がいっぱい出てきます。

それを2人ずつのペアで話しながら計測しては描きを繰り返しあっという間に時間が過ぎていきました。

今日の一日で、普段暮らしている住まいがどのように作られて、どのくらい健康に影響を与えているか、家のメンテナンスの楽しみなどを感じていただけたのであれば幸いです。

准教授 辻 充孝