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2016年10月24日(月)

木造建築のメンテナンス

木造建築のメンテナンス実習(エンジニア科授業)で白鳥林工協業組合の社屋に伺いました。

この社屋は5期生のクリエーター科の学生と一緒に設計・監理した物件で、竣工しておよそ10年が経過しています。

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国道156号線から見える社屋は、依然と変わらない佇まいを保っています。

さて、それぞれの箇所はどんな具合でしょう。今日は、全体の点検を行い、メンテナンスを考えます。

室内は、竣工当時の美しさを保ったままでしたが、外部は年月に伴う変化が見て取れます。

150mm角の柱の足元です。塗装が紫外線や風雨などではがれ、銀鼠色になっています。
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塗装の役割は2つ。①木材の保護と②美観の継続です。

木本来の時間を経た美しさという意味合いでは、無塗装でもよさそうですが、隣接する用水路の湿気対策や紫外線を考慮すると、木材保護の点から再塗装を考えました。2週間後の授業で、下地処理を行って、その後再塗装する方向で検討しました。
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外部の基礎立ち上がりでは蟻道は確認できませんでしたが、床下はどうでしょうか。
この社屋はキッチンの下から床下に侵入でき、すべての箇所を見ることができます。床下で点検するのは、水漏れ、結露、シロアリ被害、腐朽などです。

寒さに弱いシロアリのため、活動が鈍る岐阜県北部のこの立地ですが、施工いただいた大工さんの話では隣町でシロアリ被害をみたとの情報も・・・。

学生が床下をくまなく回り、劣化具合を確認しました。結果、非常に風通しもよく、乾燥していて、蟻道も確認できなかったとの報告。
img_2557_r点検を終えた後は、木曽五木の一つ、ネズコのデッキで持参した弁当で昼食。

デッキの土台にしている桧は腐朽が見られました(次回のメンテナンス実習で交換予定)が、傷んだネズコ板はほんの数枚。さすがにネズコでした。

准教授 辻充孝