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2017年06月09日(金)

平成29年6月9日(金)に施業プランナー第3回育成研修を開催しました

施業プランナー育成研修は、森林所有者に対する森林施業を提案し、森林経営に沿った提案型集約化施業に取り組む中心的な人材を育成するための研修のことです。

岐阜県では既に133名の施業プランナーを養成してきており、森林経営プランナーとして登録いてきています。

今年度(平成29年度)は、9名の受講者によって研修を展開しており、5月12日に開講し、今回で3回目のとなります。

平成30年2月23日までの14回(日)で構成されています。

今回の研修では、午前中に当アカデミーの横井秀一教授が目標林型と施業方針の設定について解説し、その上で、午後に有限会社古川林業の森林経営と施業方針について現地研修を行ったものです。

研修受講生のほかに、受講生の指導に当たっている林業普及指導員と事務局も出席しているため、多人数の参加となっています。

古川林業は郡上藩の立山が伐採禁止になっている中で、文政10年(1827年)古川家第8代の古川七兵衛義明が植樹政策を郡上藩に上申し採用され、スギ苗の植樹から始まったことが記されている。

有限会社古川林業の代表取締役の古川秀樹氏が講師に当っていただき、最初に古川家経営体の概要を説明していただきました。所有林は約1500haあり、人工林が1,010ha(65%)、その人工林のうち3割がスギで7割がヒノキであり、その各々可搬が61年生以上と資源も充実しております。1haあたりの植栽本数は当初から3,000本を原則としています。下刈りは5~6年生まで行い、15年生頃から、10~15年ごとに間伐、択伐を行い健全な林を育てています。

古川林業さんの森林は、主に傾斜が30~35度で、チャート系の土壌、八幡町側は積雪深が1.0m郡上市美並町の7割型の水源地となっています。平成10年の大雪で約1万㎥ほど折れてしまい、今も穴開き状態になっているところもあるとのことです。

また、白鳥中学校や岐阜市図書館・メディアコスモス等の個別需要に伐出対応しているとのことです。

ほかに、本庄工業が施主への伐採見学ツアーで通し柱等の伐採を見せることで成約率が上がっているとのことです。

従前から1ヘクタール当たり3,000本植えを行い、遅くまで本数を維持することで、枝打ちを省略し、100年生の林分で60本/haよりほんすうが多い林分が目立ちます。

枝打ちは、昭和50~60年代ナタで少しやったとのことで、森林施業体系としては、人工植栽後の10年生過ぎに除伐し、20年生頃切捨て間伐し、30年生頃2回目の切捨て間伐し、30年生頃2回目の切捨て間伐し、15年生(45年生頃)1回目の利用間伐し、15~20年後(60年生)2回目の利用間伐とのことです。

最近は、売り先の要望に応じて5ha/年間を伐っていきたいと考えているそうです。5haは5人で皆伐すると半年かけて伐るそうです。

スギ100年生で伐採してみると枝虫が入っているケースでは、柱でなく土台として出荷しているとのことです。

作業道の開設時には、線形の決定に当たって、谷の屈曲部に向かって作業道のカーブが来るように心がけ、素材生産面積を増やすことができるよう配慮しているそうです。

研修受講性は、90~100年生の人工林が林立している林況を見ながら、自分達が目標とすべき森林の姿をイメージしていました。