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2019年12月12日(木)

令和元年度第3回施業プランナー技術維持研修を開催しました

(1)コンテナ苗木等による低コスト造林の新たな技術について

 

令和元年12月4日(水)

                              10:00~11:25

森林研究所 茂木靖和 主任専門研究員

 

低コスト再造林を実現するための一つの方法として、コンテナ苗の採用があります。今回の研修では、岐阜県でのコンテナ苗植栽の実際と、より高性能なコンテナ苗生産のための研究について岐阜県森林研究所の茂木様より、講義いただきました。

一般的にコンテナ苗は、通年植栽が可能と言われていますが、夏場の暑い時期や県内北部の特に寒い時期は植栽に向かなく、最も適した時期は春であることをデータとともに教えて頂きました。また、現在のコンテナ苗植栽をより効率化させるために、根鉢(土の量)の減容の研究に取り組んでおられるとのことでした。コンテナ苗も進化していくことで、更なる植栽作業の軽減につながれば業界全体としてうれしいことです。

 

(2)獣害防止技術について

11:30~12:15

森林研究所 大洞智宏 専門研究員

 

植栽時・育林時の解決すべき重要な課題として獣害対策があります。森林研究所の大洞様からは、獣害の種類とその対策について講義をいただきました。シカ・カモシカの害、ウサギの害、ツキノワグマの害について、その特徴と防護するための資材や設置のポイント等について講義をいただきました。資材については、国内外のメーカーが開発しており、それらについても講義いただきました。

 

(3)演習林等にて現地検討

13:00~15:50

森林研究所 茂木靖和 主任専門研究員

森林研究所  大洞智宏   専門研究員

 

午前中の講義を受けて、午後からは、育苗の現場、獣害対策をしている現場を見学させてもらいました。育苗の現場では、裸苗の苗畑とコンテナ苗のビニールハウスを見学し、具体的な育苗方法を見せてもらいました。最近、話題になっている早生樹種のセンダンやコウヨウザンの苗も見せていただくことができました。

獣害対策現場では、いろいろな防護資材を使って対策を行った現場において、効果の状況を見させていただきました。シカ柵の一部、ツリーシェルターやクマハギ防止テープでは、防護効果がありましたが、シカ柵の一部では、2度に渡り、柵を壊され苗木を食べられた現状を見ると、シカ(カモシカ)のパワーを見せつけられ、防護のむずかしさを体感することができました。