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2016年11月30日(水)

ロッテンブルク大学・ワーゲラー教授と岐阜の山とGISシステムを見る

アカデミーが連携しているドイツのロッテンブルグ大学からワーゲラー先生が来日しました。

 

ワーゲラー先生の専門はGISで、ロッテンブルグ大学でGPSやGISの技術を教えています。

 

そのワーゲラー先生と一緒に山やGISの視察を行いました。

とその前にワーゲラー先生は狩猟が趣味で、ロッテンブルグ大学で狩猟の授業の補助も行っているとのこと。

 

その関係で初日に、岐阜の獣害の状況、ジビエの普及活動について見てもらいました。

ドイツでもシカによる食害は問題になっており、「シカ対策なしに造林を考えることは出来ない」という状況です。

日本でもドイツのように狩猟が増えて、ジビエが普及するようエールをもらいました。

 

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左がワーゲラー先生で、右がぎふジビエ推進ネットワーク会長の所産業代表取締役 所様です。裏に鹿肉の解体施設があります。先生はハンターでもあり、ライフルも複数持っているとのこと。それほどドイツでは狩猟が一般的になっています。

 

さて、GISが専門のワーゲラー先生に現場を見てもらおうと、揖斐川町の花崗岩地域に案内しました。

花崗岩は深層風化しており、一見固そうに見える切土でも、どんどん砂のように崩れてしまいます。

 

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日本の山の傾斜がとてもきついこと、地質も複雑なことに驚いており、

「林道は必要だとは思うが、簡単に林道を開設できない地域だ」との印象を持ったそうです。

 

2日目は県庁のGISシステムを視察に行きました。

 

岐阜県では、森林施業に関わる森林簿や森林計画図などの地図情報を事業体や市町村が取得できるよう、森林GISを他の都道府県に先駆けていち早く導入しました。

 

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県庁のGISルームで森林GISの概要について説明を受けています。

 

ロッテンブルグ大学があるBW州でも同じく、フォレスターが共通して使えるGISを整備しているとのことで、仕組みや活用方法もほぼ9割9分一緒だね。ということでした。

 

 

日独の共通の課題として挙がったのが、「私有林の生産力をいかに上げるか」です。零細な森林所有者をいかに集約化するかというのは日本独自の課題として思われがちですが、ドイツでも同じく不在村や放置林などの課題が発生しているそうです。

 

州有林の伐採量はほぼ限界にきているが、私有林はまだまだポテンシャルがあるとのこと。それを活かすためには、森林の成長量や森林蓄積をしっかり把握することが必要で、リモセン技術、GIS技術が大事になってきます。

 

Lidarデータ、デジタルオルソを用いた蓄積把握に期待です!

このあたりはシンポジウムでも発表する予定ですので、また報告します!

 

12月2日のGISシンポジウムまでもうすぐですが、

まだ定員に余裕があるので、興味があればぜひ!

 

ドイツに学ぶ!森林・林業におけるGISの活用法