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2018年05月31日(木)

森を次の世代につなげられる人を育てたい!「木工講座の実践2」

木工専攻2年の「伝える」現場実習、「木工講座の実践1」「木工講座の実践2」「木工講座の指導」が動き出しました。今回は、ワールドカフェをヒントに考案した木育カフェを企画から運営ブログ報告まで一切を現場で学ぶ、「木工講座の実践2」の報告を学生の長屋紀子さんがリポートしてくれました。                                                                                                                                                                                                             授業担当:松井 勅尚

5月23日、岐阜県郡上市白鳥の北濃保育園にて、保育士の皆さんを対象とした木育カフェが“木工講座の実践2”の授業として開催されました。今回の大切な目的は、本年度郡上市で開催する清流の国ぎふ地域活動支援事業として採択された『郡上森づくりと人づくりを結ぶ木育研修』に先駆けて、プロジェクトの趣旨を理解してもらうことです。この目的達成のために、私たち学生が企画・運営を行い学びの場として開催しました。

お仕事でお疲れの中、他園の先生方も北濃保育園におこしくださいました。
受付のテーブルの上で泳いでいるように並べてある『おたまじゃくし』たち、思わず「かわいい!」と、声をあげてくれる先生もいらっしゃいました。

ホオノキのおたまじゃくしのコースター

先ずは、この支援事業の推進者である松井勅尚先生から趣旨説明の後、企画担当の若林君がパワーポイントで、日本と郡上の森林の現状等伝えました。また、郡上市で始まる本支援事業の紹介をしました。

今回の企画担当の若林君

今回の目的は「人を育てる保育士さんと森林の仕事をする人とのつながりの必要性を感じていただくこと」「子供たちに森と木に関わる仕事の担い手になってもらうための模索していただくこと」です。

三園の保育士さんが仕事の後に集まってくれました!

その後、「おたまじゃくしのコースター」づくりが始まりました。一つのテーブルに一人ずつ学生がつきます。おしゃべりしながら木工作業をします。テーブルを囲み、切りっぱなしのコースターをきれいに磨き上げていきます。

今回のお題は三つです。
「子供のころの夢」
「地域自慢」
「子供たちにどんな職についてほしいか」
まずは自己紹介から始まり、小さいころの夢を紹介しあいました。思わぬ出会いもあったようで最初からあちらこちらで楽しげな笑い声が聞こえてきました。おしゃべりしながらコースターをサンドペーパーで磨きます。

コースターを削りながら、テーマに沿ったおしゃべり!

地元の木、なじみのあるホオノキを使ったかわいい「おたまじゃくし」ができました。
最後にクルミを潰して出たオイルを塗りきれいに仕上げました。
いろんな会話の端々にたくさんの気づきがあったようです。

終了後、ホスト園となった北濃保育園の保育士さんと振り返りをしました。
 近くに沢山木があるのに触れる機会はあまりなかった
 自分も木のことを学んでみたい。
 木のぬくもりを感じ気持ちが落ち着いた。
 森林のことを学べた
 現代人が失いかけている大切なものを感じることができた。
 子供たちに山のことを知ってほしいと思った
 山について知ってもらいし興味を持ってほしい
 山の仕事をしてくれる子が出てきてくれるよう山の魅力を伝えられるといい

といった意見も聞かれ、今回の木育カフェの目的は達成されたようです。

木育カフェの手法については、
 やって良かった。疲れが飛んだ。
 テーマがあり話しやすかった。
 作業しながらで楽に話せた。
 仕事の後で負担に思っていたが本当に楽しかった。子供にも伝えたいと思う。
 木と触れ合いながら、人と交流できよかった。

と、みなさん木育カフェを楽しんでいただけたようです。

私たち学生たちも山や自然、木に触れる機会を提供することの重要性、木育カフェの効果、スタッフになることで自分の成長にもつながっていること痛感した一日でした。郡上の保育士さんたちの地元愛も感じました。
特に今回、テーブルについた学生は、授業「木育総合演習」を履修いたエンジニア科2年の精鋭たちです。林業の専門を学んだ彼らは、山の仕事を知っていただくのに打ってつけのスタッフでした。保育士さんも興味津々で彼らに沢山の質問をしていらっしゃいました。

店長のエンジニア科2年生は、質問責めでした(笑)

きっと、身近にあるのに遠かった山に近づけたことでしょう。
以下、こんな意見も出ました。
「園児を山へ散歩に連れていきたいけど山が荒れて危険(クマ、ハチ、視界が悪い)だから連れていけない。どんぐり拾いにいけない。」
「やはり、山の手入れは大切だよね。」
「山を良い状態に保ちたい。」
「森を次の世代につなげられる人を育てたい。」
「人だけでは伝えきれないことを自然が教えてくれる。」などなど

最後の振り返り。時計の針は、すでに18時を回っています。

今回参加した皆さんに「森を育てることと人を育てることは密接につながっている」ことを感じてもらえたようです。ありがとうございました。
記録担当:クリエーター科2年 長屋 紀子