活動報告
最近の活動
月別アーカイブ
2026年07月03日(金)

【視察報告】㈱ランバーランドを視察しました

木造建築専攻の畑佐です。

6月5日に岐阜県美濃加茂市に2024年に新設された製材工場「株式会社ランバーランド」を訪問させていただきました。

 

帯鋸の調査を続ける中で、丸鋸製材にも興味が広がり、思い切って工場見学をお願いしました。

実際に現場を案内していただき、丸鋸のメンテナンスや製材の事情について詳しくお話を聞くことができ、とても勉強になりました。

今回は、その中から印象に残った部分をいくつか紹介します。

 

ランバーランドは、東海3県に密着し、集成材ラミナの大量生産を目的に設計された新しいタイプの製材工場です。

まずは工場内設備や製材製品などの会社概要をご説明いただき、その後工場内を見学させていただきました。

 

案内してくださったのは、管理部の鬼頭さん、製造部の清水さんです。

工場に入ってまず驚いたのは、最大9,000〜1万㎥の丸太を置ける広い土場です。

(土場の様子)

選木工程では1日3,600本を処理でき、原木は太さや曲がりによって5つの階級に仕分けられます。丸太径は製材機に入るサイズで決まるため、元口直径55㎝以下が基準となります。

選木機では末口、元口を自動で判断し、仕分けすることが可能です。その後の効率的な集材に役立ちます。

(選木機)

 

乾燥工程では、まず2週間〜1か月の天然乾燥を行い、その後中温・高温乾燥機で人工乾燥を行います。天然乾燥を挟むことで、材内部の含水率のばらつきを抑えられるとのことでした。

工場内では製造過程で出るチップやバーク、鋸屑をバイオマスボイラーの燃料として再利用するなど、カスケード利用も進んでいました。

(中温乾燥機が8台、高温乾燥機が5台並ぶ)

 

次に、製材機(チッパーキャンター)を見せていただきました。

まず、原木をセンサーで計測し、コンピューターが最適な木取りを判断します。

その後、垂直キャンター・水平キャンターで荒取りし、プロファイリングユニットで細かく製材していくという流れでした。

チッパーキャンターの中には40枚を超える丸鋸が入っているそうで、その技術の複雑さに驚かされました。

(コンピューターによる木取りの最適化)

(原木投入の様子)

(投入後の製材品)

 

垂直・水平キャンターに使われるリングソーも見せていただきました。

リングソーはその名の通り、中央が大きく空いたリング状であることが特徴です。

素のままの原木を荒取りする最初の工程であるため、直径が大きく、その分軽量化させるために穴が開いていました。

リングソーの目立ては腰入れが難しく、メンテナンスには専用の治具が必要とのことでした。研磨は専門の目立て屋さんに外注しているそうです。

(リングソー)

 

丸鋸の交換頻度は、挽いた本数を基準にしており、2,500〜3,000本ほどで交換します。

使用頻度によっては1日半で替えるものもあれば、1か月替えないものもあるとのことでした。

 

続いて、鬼頭さんと製造部の田口さんに、工場の仕組みや丸鋸製材の特徴についての質問時間を取っていただきました。

 

まずは原木の購入について伺いました。

ランバーランドでは、東海を中心に地域に密着した形で原木を集めています。

製品としてはラミナが多く、スギを中心に扱っていますが、個人の林業家さんから持ち込まれるヒノキも積極的に受け入れているそうです。規格外の大径・小径材は地域の製材所に加工依頼をするなど、貴重な原木を無駄にしない仕組みをつくっている点が印象的でした。

 

特に、「“ここに持ってくれば買ってもらえる場所”があることが林業家の継続に直結する」という話が心に残りました。受け入れ先がなければ丸太はお金にならず、林内放置や林業離れにつながってしまう。だからこそ、ランバーランドの土場は「中間土場」としての役割も果たしており、相場よりも高めの価格で原木を買い取ることもあるそうです。

 

また、お話を伺う中で、丸鋸と帯鋸は「どちらが優れているか」ではなく、用途によって役割が異なる別の道具だということがよく分かりました。

・小径(18〜22㎝):丸鋸・ツインバンドソーが得意

・中径材(24〜28㎝):丸鋸の本領発揮、歩留まりが最も良い

・大径材(30㎝以上):帯鋸・ツインバンドソーが向いている

といったように、丸鋸は高速・大量生産に強く、帯鋸はどんな材でも対応できる柔軟性があります。それぞれの特性がはっきりしていて、自然なすみわけが生まれているのだと感じました。

 

また、「帯鋸は何でも挽ける」という強みは、逆に言えば何でも挽けるからこそ特化しにくいという側面もあります。それでも、大径材や特殊な材を扱う現場では帯鋸が欠かせず、今後も需要はなくならないだろうという話が印象的でした。

 

今回の見学を通して、帯鋸と丸鋸を比較することで、それぞれの特徴や強みがよりはっきりと見えてきました。どちらの良さも生かしながら木材利用が進んでいくことが大切だと感じました。

この気づきは、今後の研究を進めるうえでも大きなヒントになりそうです。

 

改めて、お忙しい中、丁寧にご案内くださった鬼頭さん、田口さん、清水さん、社員の皆様、本当にありがとうございました。

 

木造建築専攻 畑佐