【これからの木造建築構造を考える】木質構造用ねじによる中大規模木造への挑戦
「木質構造用ねじ」による構造デザインをテーマとした専門技術者研修「これからの木造建築構造を考える」(第2回)を開催しました。話題提供は二葉 光介 氏(シネジック株式会社)です。

普段、シネジックさんが取り組まれている「木質構造用ねじ」による中大規模木造の事例を示していただきながら、講義をしていただきました。また、JIS A5559 木質構造用ねじ についても講義をしていただきました。

木材―木材を留め付ける「木質構造用ねじ」を用いた構造デザインは、非常に高い強度を有しながらも、木材を現しにできるメリットがあります。さらに比較的に施工が簡易(ねじ長さが長くて、径が太い場合や、角度をつけてねじ込む場合など、高度な作業に慣れていないと、ちょっと困難な場合もあります。)です。
アカデミーの自力建設でも「木質構造用ねじ」利用させていただいております。これは、自力建設ですと学生による作業が中心になるため、難しい木材加工を行うと、木材加工精度が悪くなってしまい、剛性や強度の信頼性が下がってしまう恐れがあるためです。


「木質構造用ねじ」を使用するときの留意点では、設計時や実際現場で利用する際の非常に実務的な留意点のお話しでしたので、参加者の皆さんは必死にメモを取りながら傾聴していました。

参加者の方々の関心が高い内容であるため、非常に活発なディスカッションとなりました。

せっかくの機会ですので、建築実務者の皆さんに対して、クリエーター科・奥村さんより自力建設2025「紡木人」の意匠設計と構造設計のコラボレーションについて説明していただきました。この「紡木人」は「木質構造用ねじ」に期待した接合部設計がなされた建物となっています。

偶然ですが、参加者の中にクリエーター科建築専攻卒業生3名(橋本さん、杉山さん、増岡さん。それぞれ各代の自力建設構造設計担当者であり、卒業後は木構造専門の構造設計事務所へそれぞれ勤めています。)がおりましたので、視察しながら構造設計した自力建設の建物について説明していただきました。

4名の歴代自力建設構造設計担当者が一堂に会して、直接構造設計の説明をしていただける機会は、これまでに私も経験したことがありません。参加者の皆さんには非常に貴重な機会に恵まれたと思います。

また、卒業後であっても専門分野の学びを続けて、自主的にスキルアップをしているアカデミー卒業生に非常に感銘を受けました。
これからの木造建築構造のあり方(特に、中大規模木造建築の接合部)について、「木質構造用ねじ」の観点から考えることができた研修となりました。
教授 小原 勝彦