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2026年09月07日(月)

歴史と地域がつくる森林空間:森林空間活用演習1

近年森林・林業への意識が変わり始めています。林野庁によって2019年に提唱された「森林サービス産業」や2025年から農林水産省が推進する「森業」など、林業・森林の価値が見直されてきているのです。そこで、林業の視野を広げるために森林空間活用演習1では、それらの言葉が出てくる以前から林業の6次産業化を進め、自らの所有する森林をベースに様々な価値を作り上げてきた㈱ふもとっぱらを訪問しました。ふもとっぱらは林業の6次産業化を評価され、2011年に農林水産大臣賞 天皇杯を授与されています。

入口のモニュメント。斧が林業会社を象徴しています

今回の視察では林業の学生の他、環境教育、木工の学生も同行しました。現地で2日間アテンドしてくれたのは㈱ふもとっぱら総務部長を務める竹川大登さん。実は森林文化アカデミーの13期生のOBなのです。夏の繁忙期でお忙しい中、施設や森林を案内していただきました。

アカデミー林業専攻の13期生「竹川大登」さん

【歴史】

1500年代からの歴史的資料も残されており、今川義元・武田信玄・徳川家と、歴史の教科書に出てくる名前と㈱ふもとっぱらの所在する地域の関係性を紹介していただきました。ふもとっぱらを管理する竹川家は、江戸時代には富士山御林守として富士山の登山道の管理も担っていた歴史もあるそうです。かつて分校として利用されていた施設には貴重な資料が展示されていました。

地域の歴史が記された古文書が残されています

【地域資源】

林業事業体としての活動を芯に持ちつつ、様々な資源を有効に活用していくのがふもとっぱらです。森林を施業で利用するだけにとどまらず、作業道を活用しMTBを組み合わせ、林内をウェディング・撮影地・屋外上映・林内キャンプ・教育活動としての有効活用も行われています。更に獣害の被害対策を機に導入したニホンジカの解体処理場から生産されたシカ肉の販売・加工、朝霧高原の牛乳や野菜などの食は場内のショップやカフェでも実際に食べることができました。

しっかりと整備された作業道。どこかドイツの森をイメージさせます

林内にはツアーや体験時に利用できるMTBコースも整備されています

地域の野菜と鹿肉・豚肉をふんだんに使用したバーガー。絶品でした

【伝えるよりも体感してもらう】

キャンプ場内には様々な建物が建っています。キャンプ場として宿泊する施設・トイレには材の使い方など多くのこだわりが盛り込まれていました。これらには案内やパネルなどは多く設置されておらず、体感してもらうことで「ふもとっぱら」の木材や地域の資源について感じてもらいたいという想いが込められているそうです。

2人用のコテージ。森の景観を引き立てます

中央トイレの天井。見上げるとこだわりで溢れています

【無駄なく使う】

キャンプ場という特性から、木材資源の活用に無駄がありません。建築用材として出荷しても価格が上がらないモノは薪として活用できるからです。更に、薪のボイラーを導入している事で温水の供給も出来るとのこと。どうしてもお客さんに届けられない半端な材などもエネルギーとして活用できる事でロスがありません。

用材以外のウッドマイレージは理想的な距離で消費出来ます

【チャレンジし続ける】

深い歴史を有し、林業事業体としても先駆的な取り組みを行っていますが、会社設立から20年を経てなお、チャレンジし続ける姿勢が印象的です。かつて私新津も3年ほど従業員として働いていましたが、当時から「地域」「景観」「林業」という軸を意識しながら適度な大らかさで関係人口を広げていました。当時社長が「林業だけやっていたら、こんなに多くの人と出逢えていなかった」という言葉の通り森林の関係人口づくりに大きな貢献をしている事は間違えないでしょう。

2013年頃のふもとっぱら

これらの背景無くして現在のキャンプ場の姿はないのだろうな。そう思える程、歴史や取り組みについてじっくりお話を聞かせて頂きました。本当にお忙しい時期に貴重な時間を頂きました。竹川大登さんありがとうございました!

報告:新津裕(YUTA)