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2026年07月31日(金)

【視察報告】武田製材㈲を視察しました

木造建築専攻2年の畑佐です。

今回は三重県多気郡にある武田製材さんを訪問させていただきました。

その一部についてご報告します。

 

7月24日(金)、石原先生の引率で武田製材さんを訪問しました。

案内してくださったのは代表取締役の武田誠さんです。

 

武田製材さんは日頃から非常に多くの樹種を挽いており、その数は実に180種以上。

アマチュア木材オタクを目指す私としては、いつか必ず訪れたいと思っていた場所でした。

着いてまず驚いたのは、土場に並ぶ多種多様な原木です。

(土場に並ぶ原木)

 

通常では雑木として、チップにしかならないような広葉樹材ですが、そんな樹木を武田さんは、全国各地にアンテナを張って集め、製材して新たな価値をつけています。

 

例えば、果樹農家などから入手した果樹材は、緻密で光沢があり、色鮮やかなため、クラフト材や看板材として人気があるそうです。

障害木や危険木として伐採された木もたくさんありました。

写真の原木は近年では希少種と呼ばれているトガサワラです。

(トガサワラ)

アンテナを張っていることで、ほかではお目にかかれない特殊な材も入手できるそうです。すごい!

 

こうした多種多様な木をどのように製材しているのか、実際にその製材の様子も見せていただきました。

(製材工場内の様子)

 

製材機は年季の入ったシングルバンドソーでした。

武田製材さんでは、送材車に工夫をして器具を取り付けることで、長さ50cm以下の短い材を挽けるようにしていることが特徴的でした。短い材を挽ける製材所は少ないため、賃挽きなどの依頼も近年は多くなっているそうです。

(送材車の説明をしてくれている武田さん)

(短材の送材車への取り付け方法)

(製材の様子)

 

ヤマモモとハゼを挽いていただきました。断面が色鮮やかでとてもきれいでした

(ヤマモモ:下(茶色)、ハゼ:上(黄色))

 

帯鋸の目立て事情についても伺いました。

武田製材さんは昔ながらの製材所のように、工場内に目立て研磨機とローラーテンション用の台を備え、日ごろの研磨や腰入れ直しといった目立て作業は武田さんご自身で行われています。

年季の入った研磨機)

 

ステライトの再溶着や割れの修理といった難しい工程については、近くの目立て屋さんに外注していました。現在は近隣に一社目立て屋があるため武田製材さん自身は困っていないものの、少し離れた尾鷲地域では目立て屋不足や給料面の課題が深刻で、製材所同士が協力して支える体制が数年前から生まれているという話も伺いました。

三重県でも目立て問題がかなり深刻化している印象を受けました。

 

また、多種の材を挽く現場ですが、帯鋸はほとんど一種類の刃で対応されている点が印象的でした。一本の刃で運用しているからこそ、材によって挽きやすさ・挽きにくさの違いがよりはっきりと分かるとのことで、武田さんの経験に基づいた合理的な選択なのだと感じました。

 

挽いていて、特に厄介な樹種として挙げられていたのがヤマグルマです。

広葉樹でありながら導管を持たない「無孔材」で、樹皮付近にある粘性のある物質(トリモチの原料)が帯鋸に付着しやすく、2〜3回挽いただけで刃にこびりつき、交換しなければならないほどだそうです。

約200種類と数多くの樹木を挽いてきた中でも最も大変な木だというお話がとても印象的で、むしろ一度挽いてみたいなと思いました。

(ヤマグルマは針葉樹のような見た目)

 

最後に、武田製材さんが取り組む「木の図書館」についても伺いました。さまざまな木に触れられ、購入できる環境を整えていることで、個人の作家さんなどが多く訪れるそうです。将来的には全国にもこうした木の図書館が増え、「この地域に行けばこの木が手に入る」というような木材ツーリズムが広がってほしいという夢を語ってくださいました。

(工場の一角を木の図書館として開放している)

(何種類もの木材が並ぶ)

(並び順はざっくり色で分けられており、比較が楽しい)

 

地域の製材所が抱える課題と、それを乗り越えるための工夫、そして木材文化を未来へつなげようとする姿勢が強く伝わる訪問でした。

 

武田さん、お忙しい中ご丁寧にお時間を取っていただきありがとうございました。

 

 

木造建築専攻 畑佐