鬼頭 伸一
50代から竹細工職人に。長良川の鵜飼文化や地域の竹文化を支える

プロフィール
1952年生まれ、岐阜市出身。ものづくり研究会(現在の木工専攻)9期生。
36年間務めた重電機器メーカーを早期退職して森林文化アカデミーに入学。卒業後、NPO法人 グリーンウッドワーク協会・竹部会として活動中。
質問1)今の仕事内容を教えてください。
私たちはNPO法人グリーンウッドワーク協会・竹部会として、美濃市に工房を借りて活動しています。作る方では、鵜飼に使う鵜籠類を製作し、岐阜市や関市の鵜匠家に納入しています。そのほか、竹細工製品の注文を随時受けて、製作をしています。
教える方では、美濃市の工房で竹細工教室を運営しているほか、各地で竹細工ワークショップを開催しています。
質問2)今の仕事で大変だなと思うことを教えてください。
竹細工の材料となる真竹(マダケ)、淡竹(ハチク)の入手、および竹を採るための竹林の整備です。竹林は美濃市や関市の数カ所をお借りしていて、定期的に竹林整備を行っています。鵜籠を作るための淡竹は10月から12月にかけて、その年度に使う分の竹を収穫します。
竹部会は4人のメンバーで活動していますが、主体的に動く後継者や仲間を増やしたいと考えています。

森林文化アカデミーの竹林整備の実習で指導する鬼頭さん
質問3)今の仕事を通して社会にどんな貢献をしていると感じますか?
岐阜市、関市の鵜飼で使う鵜籠は、この地方では我々しか作っていないのが実情で、長良川の鵜飼文化を縁の下で支えています。また、特殊な籠類は作ってくれるところがないため、自治体や神社などからの注文が東海各地から寄せられます。
竹細工をやりたいと思っている人がたくさんいることは常々感じていて、教室やワークショップを開催することで参加者が手作りの面白さを感じてもらえる機会を提供できていると思います。

鬼頭さんたちが製作し、岐阜市の鵜匠家に納めた鵜籠

・一宮市の石刀神社で行われる黒岩祇園祭の山車の上に据える籠。上が古いもの、下が鬼頭さんが製作した新しいもの。
質問4)アカデミーに入学を決めたきっかけは何ですか?
オープンキャンパスを見学し木工の作業室で先輩が作業しているのを見て、無性にやりたくなって、決めました。
質問5)アカデミーの学びで役に立ったことは何ですか?
木工の基礎(の基礎)が学べたことと、ものづくりの面白さや技術を伝える場を経験できたことです。
質問6)専門分野以外の授業やプロジェクトで、役に立ったものはありますか?
2009年の美濃市産業祭の木工教室と、2010年の美濃市子ども創造館事業で主担当として子供向けの講座を企画運営しました。子どもたちの感性の豊かさを感じるとともに、教えることの大変さも実感できました。
質問7)アカデミーの学生生活で印象に残ったことは?
「ぎふ山の日フェスタ」に、クリエーター科、エンジニア科の学生たちと参加したことです。若い人たちとの活動は楽しかったですね。

森林文化アカデミーの実習で、エンジニア科(18〜19歳が中心)の学生たちに鵜籠の説明をする鬼頭さん。
質問8)アカデミー入学前の仕事が、今に活きていると感じることはありますか?
時々竹細工の強さが話題になることがあり、基礎的な材料力学の説明をしています。あまり興味は持たれませんが(笑)。
質問9)今の仕事をしていく上でのモットー、若い人へのメッセージは?
モットーは、「無理はしないで、できることを少しずつ」。メッセージは、「やりたいことをやればよい。できるかどうかは努力次第」です。