山村で若者はどう生きる?ー「山村資源利用演習」第1回目
<2025.5.8> 「山村資源利用演習」が始まりました。この授業は、エンジニア科2年・林産業コースの学生が全4回にわたり、山村の暮らしや資源について学ぶものです。
今年の受講生は3名。それぞれの背景や将来像は異なりますが、アカデミーの「自然と共に生きる」というテーマのもと、同じフィールドに立ち、考えます。
この授業で大切にしているのは、「人の生き様に触れること」。講師を現地に訪ね、本やインターネットではわからない現場の空気感、そしてその地で暮らす人が積み重ねてきた人生に触れさせていただくことが、学びの出発点になります。
第1回目の講師は、岐阜県郡上市で狩猟や獣肉加工、流通を通じて里山保全に取り組む、元満真道(もとみつ・しんどう)さん。元満さんの活動拠点を訪ね、お話を伺います。
心地いい川の側でお話を伺ったあと、狩猟体験をするため森の中へ。動物の通り道を探し、罠を仕掛ける場所を探す体験を行いました。
木の皮の傷やフンの有無など、小さなサインを見つけながら、獣の行動を想像します。
「まず、獣の道を探します。そして、目の高さを動物の視点に落としましょう。そうすると、獣たちの行動が見えてきます」
罠をどこに置くかを学生が自分で考えることを通して、人里につながる自然環境の見方、獣の行動について学びを深めます。
福岡から岐阜に移住し、地域の新しい役割を担ってきた元満さん。
人が減り続ける地域で、技術や知識、取り組みの意味、そして地域の大切な資源を、次の世代にどう渡していくかが元満さんの最大の関心事です。
「包括して取り組む、”地域屋さん”という考えですね」
課題が山積する山村地域。そんな地域で、これから森に関わって生きていきたいという若たちに、元満さんからのメッセージです。
「これからの時代は、選択肢が広がります。”田舎がいい”というだけでもない。二拠点居住もあります。気持ちよく”これでいい”と思える価値観を、それぞれ持つことが大切です」

元満さんのお話の中で、特に印象的だったのが「座りこごちがいい場所」という言葉。
「心地がいい、誰かといっしょにやってみたい、そんな場所がみんなにもきっとあるはず。探していってください」
充実した生き方ができると同時に、自分自身の健やかさを保てる場所が見つかるといい ーーー
これまで歩んできた人生の様々な実践と経験から、今アカデミー生に伝えたい元満さんからのメッセージで、1日が終わりました。
元満さんとの時間を過ごした学生からは、
「自分の地域で、罠猟をしていきたい」
「里山で暮らすことを実現する、具体的なヒントがもらえた」
という感想が述べらました。
山村はこれから、地元出身者、移住者、Uターン者が混ざり合って形づくられていきます。これからの山村をつくる、森林文化アカデミーの若者たちが、生き生きと活躍できる社会を、大人たちが全力で支えていかないといけないと、私自身があらためて考えさせられた1日でした。
森の中でで深く学び合う時間をつくっていただいた元満さん、ありがとうございました!
<森林環境教育専攻 教員 小林(こばけん)>



