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2026年01月29日(木)

建築コンクール「耕す建築」にて紡木人が優秀賞に選ばれました!(自力建設2025)

愛知建築士会名古屋北支部主催の第17回建築コンクール「耕す建築」にて、屋根付きチェーンソー練習場「紡木人(つむぎと)」が優秀賞に選ばれました!嬉しい!!

(林業を志し練習に励む学生たち。かっこいい。)

 

林業の学生が山でチェーンソーを使って木を伐倒するところを見てとてもかっこいいと思った。そして日々鍛錬する学生たちを見て、この人たちが練習を頑張りたいと思える空間にしたいと思った。これがこの建築のはじまりです。

 

紡木人で使われている木は1年前に卒業したエンジニア科(林業コース)の学生たちが演習林で伐採してくれたものになります。それを乾燥し、製材して私たち建築学生がプレーナーをかけ墨付し刻み建てています。そしてこの木でつくられた建築がこれから林業を志す学生の練習する場となる。そのため林業のかっこよさや技術、林業と建築とのつながり、山の木がどのように建築として使われていくのか、建築としても情報としても伝えていける、そんな空間にしたいと思いました。

 

木に関わる人々の技術や想いを紡いでいける「紡ぎ手となる空間」

これが紡木人のコンセプトになります。

 

 

そして今回の建築コンクールのテーマであった「耕す建築」

 

耕すことは、はじまりを意味します。 

 それは、繰り返される行為のはじまりともいえる。 

 その先に何が育つのか、それが知りたい。

 

軽井沢に向かう車の中で、紡木人と耕すはなにかすごくつながる部分があるよねということで建築のメンバーでかなり盛り上がって、コンペに出すことに!私たちの思考と混乱を少しお伝えすると、

 

【たがやす/文化を醸す】

Colere ラテン語。大地を耕すこと、人を育てること。やがて英語のcultivateに引き継がれる。文化(culture)もそこから来る。

 

私たちはこの地で建築をつくり耕し耕される

これからこの地で林業を志す学生が耕される

土を掘り、芝を育て、リョウブを育て、土地を耕す

この土地と建築と人とが関わり合う中で耕し耕される

この地で育った人が新たな地で耕しはじめる

その繰り返しの中で森林文化が耕される

 

考えれば考えるほど「耕す」を一言でまとめるのが難しくなって、みんなと話しあいながら、自分たちがやってきたこと、伝えたいことを素直に書こうといってできたのがこちらのプレゼンボードになります!何回か考えすぎてフリーズしたのですが、耕すは一つの視点だけでは語れず、綺麗な循環の図がかけるわけでもない。ただ、なんだかそこには未来に向かう前向きさ、明るさ、誠実さがあるように感じました。

(紡木人のプレゼンボード)

「耕す建築」の審査員は建築家の堀部安嗣さん、建築家の木村吉成さん、茅葺師の沖元太一さんで、審査前にはパネルディスカッションが行われました。フェイクが溢れる時代に自分の身体感覚に誠実な五感・六感がはたらく設計、文化なき創造はないといった話もあり、今生きる中で感じる違和感や求めているものがなんだかすっと、ときにはぐさっと言葉で入ってくるような感じがしました。

審査当日は雪予報もあり会場には私だけが行っていて、他のメンバーはYouTubeから見ていたのですが、優秀賞が決まった瞬間は皆で大喜び。公開審査の間はどきどきと、今まで皆とやってきたことを思い出してちょっと泣きそうだったのですが、皆がいると思って携帯をぎゅっとにぎりしめていました笑。

(紡木人が優秀賞に!!嬉しい!!)

 

審査が終わると受賞者としてお話する機会をいただきました。その中で「紡木人が賞をいただけたことで、林業・建築・森について外にも紡ぎ手として発信できたことをとても嬉しく思います」といった内容の話をしたのですが、茅葺師の沖元太一さんから総評のときに「自分自身発信したいと普段思いながら活動していて重なる部分があり、票を入れることができて良かった」とコメントをいただき、すごく励まされました。

紡木人では建築のメンバーが今までの内容をしっかりブログにまとめてくれています。また今後、山の木がどう紡木人の建築に使われたのかといった木の歩留まりや履歴のお話などを発信していく予定ですので、興味をもっていただいた方はまた見に来てくれたら嬉しいです!

今回のシンポジウム・公開審査の中で「耕す」は繰り返す・ルーティン的な意味があるが、ただ同じことを繰り返すのではなく、ルーティンの中にチューニングや微調整が必要である。永遠の微調整をしながら、日々少しずつ良くしていこう。建築はきれいなことをやろうとしても、うまくいかないときもある。でもより一生懸命いいものにしていこうと粘り強く繰り返していく。そんなお話をされていて、今までの工程を思い返して本当にそうだなと思ったのと同時に、紡木人ではまだこれから芝を植えたり、移植をしたり外構部分をやっていく予定ですが、失敗することもあるかもしれないけど、試行錯誤しながら前向きにいい空間を目指して粘り強く頑張っていきたいと思いました。どのような空間になっていくのか、そしてどんな人がここから育っていくのか、楽しみながら、時には苦戦しながら皆と空間をつくり育てていけたらと思います。

 

最後に紡木人は、林業・建築・森と、それに携わる人たちとの関りの中でできた建築です。関わってくれたすべて方、本当にありがとうございます。特に同じ建築専攻1年の皆、いつもありがとう!これからもよろしくお願いします!

 

(紡木人:奥村千里、古池康彰、坂巻陽平、髙木始、千々和駿、畑佐向日葵、森光照)

 

木造建築専攻1年 奥村 千里