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2021年05月14日(金)

森林文化を支える鍛冶・部品職人データブック2019-2020 を発行しました

〜林業、木造建築、木工などに用いる手道具の需要・供給状況を全国規模で調査〜

 岐阜県県民文化局・文化創造課と岐阜県立森林文化アカデミーでは、2019(令和元)年度より「匠の技を支える『道具』の保存伝承事業」として、林業、木造建築、木工に用いられる手道具の需要と供給の状況について、現場の職人に聞き取り調査を行ってきました。このほど、その中間報告として「森林文化を支える鍛冶・部品職人データブック2019-2020」を発行しましたので、お知らせします。

匠の技を支える鍛冶部品職人データブック表紙

 この調査は、オノ、ナタ、ノコギリ、ノミ、カンナなど、鍛冶職人が作る手道具について、後継者の有無や材料入手などの課題等を、現地で当事者から直接聞き取りを行うことによりまとめたものです。林業の道具は主に高知県で、木造建築・木工の道具は主に新潟県と兵庫県で製造されています。道具の供給側として3県を中心とする鍛冶職人など147人、需要側として岐阜県を中心とする林業従事者・木工家・大工など33人に調査を行いました。特に鍛冶職人については、近年これだけ広範囲に調査を行った事例はありません。林業に欠かせないトビという道具を作る職人が3人しか存在しないこと、木工に欠かせないノミの部品を作る職人が全国で1人しかいないことなど、危機的な状況が明らかになりました。

 本データブックは以下からダウンロードすることが可能です。この調査は2021(令和3)年度も継続し、今年度中に関係者間での情報共有を目的としてウェブサイトを立ち上げる予定です。岐阜県が誇る森林文化を次世代へ継承するため、全国の道具の産地とも連携しながら課題解決へ向けた活動を行っていきます。

▼データブックの概要
「森林文化を支える鍛冶・部品職人データブック2019-2020」
A4版フルカラー94ページ

▼調査・執筆担当者
久津輪 雅(くつわまさし、岐阜県立森林文化アカデミー教授)
大滝 絢香(おおたきあやか、岐阜県立森林文化アカデミー卒業生)
杉田 悠羽(すぎたゆう、道具製作者、杉田創作主宰)
西 禎恒(にしよしつね、道具製作者、兵庫県立丹波年輪の里職員)

▼調査対象者
手道具の作り手(鍛冶職人・部品職人)147人 ・・・主として新潟県、兵庫県、高知県
手道具の使い手(林業家・大工・木工家)33人 ・・・主として岐阜県
手道具のつなぎ手(道具店・市民団体など)21人

▼公開方法
300部を印刷、関係機関等に無料配布
ウェブサイトで無料ダウンロード(以下のリンクから)

森林文化を支える鍛冶・部品職人データブック2019-2020