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2017年03月06日(月)

教員リレーエッセイ12:林業架線の技術の継承

池戸秀隆(林業)

林業は作業道を開設し、高性能林業機械を使って木材生産することが主流になっています。
しかし、岐阜県の山は下図の傾斜区分図に示すとおり、急斜面が多いんです!
傾斜が急な山に無理をして作業道を開設するとこんな風に壊れてしまうこともあります。

 

岐阜県の傾斜区分図(30°を超えると路網損壊が発生する)

 

急斜面でに作られた作業道の損壊

 

このため、作業道を開設しないで集材する林業のスタイルのニーズが高まり、架線集材に期待が集まりました。
架線集材は、山にある立木を支柱として使い、用途に応じた太さのワイヤを使い分けて、空中に架線を引き回し、材木をワイヤロープに吊るして運搬する方法です。
これなら重機で道を開設しなくても、架線を設置できれば集材することが可能になります。
この集材方法は、何も新しいものではなく昔から行われていましたが、材価低迷とともに経済的に合わなくなり、しばらく、保育施業の「切捨て間伐」の中心の時代が続きました。

架線集材の様子

 

今では、立木も収穫期を迎え、これまでの集材機にあった「架設に時間がかかる」、「吊上げる能力が低い」、「集材スピードが遅い」などといった問題を解決するため、海外製のタワーヤーダを導入する取り組みが全国でなされています。
海外製のタワーヤーダは、比較的短時間で架設することができ、吊上げ能力が高く、しかも集材のスピードも速くて、500m程度を一線で集材でき、自動走行を無線コントロールで行うため、作業する人員も削減できるメリットがあります。

海外製のタワーヤーダによる集材

 

しかし、機械は導入できても、架設技術は導入することはできず、国内では架線技術を身に付けた技術者の年齢は70代を超えており、辛うじてその技術が引き継がれていますが、その数は極めて少ない状況です。
そこで、森林文化アカデミーでは、これからも必要になる林業架線の知識と技術を教育するため実際に機械集材装置を架設し、講習資格も取得できるカリキュラムを提供しています。
また、昨年にチェコから購入したタワーヤーダやオーストリア製の搬器を使って、実習しています。

アカデミー所有の欧州製タワーヤーダ

 

主索を架設する様子

 

 

これから林業を目指そうとする人はぜひ入学を検討ください。
今年度の最終入試日(第5回)は3月19日で、3月13日(月)の願書締め切りにまだ間に合います。
机上だけでなく、現場実習により知識と技術を身に付けたい方、是非、岐阜県立森林文化アカデミーにおいでください。


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