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2018年10月30日(火)

オープンカレッジ「木の家のメンテナンス」で木を美しく経年変化させる

「我が家は木の家だけど、黒ずんでいく汚れ、なんとかしたいな……新しく張り替えるのも大変だし……」という方に向けたオープンカレッジ「木の家のメンテナンス」講座を実施しました。

入り口のお手入れ前。ビフォーです。

入り口のお手入れ後。アフターです。美しく経年変化してくれれば嬉しいですね。

 

 

無垢の木でできた家は、木の性質をよく知ってお手入れすれば、美しく経年変化していきます。ジーンズも使い込んだ方が価値が出るでしょう?エイジングと言ってもいいかも。要するに、たまにちゃんとメンテナンスすれば、時間とともに良い風合いになっていくのです。

先日張り直したデッキ。手すりは14年の月日により苔が生えています

今回のメンテナンスで、苔もすっかり取れました

しかし「メンテナンス!?忙しいし疲れてるからやりたくないよ!」という人がほとんどでしょう。
だから今回は、簡単で楽しく、効果がすぐに見えてモチベーションが上がるお手入れを伝授する講座です。

具体的には14年前に竣工した自力建設「風の円居」のお手入れ実習です。「風の円居」は真壁で真壁で内外に木部が見え、お手入れの実践にはうってつけです。
テキストは3期生の船木さんが課題研究でまとめた「自然素材のお手入れ手帳」を配りました。「木の家を育てよう」という副題の通り、自然素材を丁寧に経年変化させるためのお手入れ方法がとても詳しく書いてあります。「すごい便利な資料!」と好評です。

無垢の木の家のメンテナンスや木の性質について、見事にまとまった15年前の課題研修です。

では実習開始。
まず濡れた布巾にアイロンを当てて、木の凹みを元に戻します。それから時間をかけて床をゴシゴシ雑巾がけ。この雑巾がけがポイント。洗剤を使うと表面を痛めてしまうことがあるのです。

「こんなに簡単に凹みが元どおりに!?」と一堂歓声が。

次に、燃やした藁の灰からつくった灰汁と、希釈した木酢液で「簡易版古式灰汁洗い」も実践。こちらも去年のエンジニア科の平川くんの研究からヒントをもらっています。

おもむろに藁を燃やし、「灰汁」を作ります

「古式灰汁洗い」は、灰汁と希釈木酢液で、汚れを浮かして、木の脂を呼ぶ手法です。今回は簡易版。

建具や手に触れる部分は、木の表面を大切にしたいので雑巾がけですが、デッキのようなハードな環境でしっかり汚れている部分には「高圧洗浄機」を使用しました。

頑張って綺麗に拭いた床には、オスモの含浸性の床用ワックスを塗りました。

文明の利器が登場。ものすごい洗浄力です

オスモの「フロアークリアーエクスプレスつや消し」を塗っていきます。

ガラスも拭きます。

高圧洗浄機は網戸の掃除にも大活躍。秋の気持ちのいい夕暮れはお掃除日和です。

 

2時間ほどの実習の中、随時木の家についての質問を受け付けながら、和気藹々とテキパキ作業を行い、お手入れ終了!

 

 

ワックスでしっとりした杉の床板

ちゃんと四方にマスキングして塗っています。

参加者のみなさんからは、ご自分の木の家に対する意識が変わったとのコメントがありました。「汚れているから取り替えようと思っていたけど、よく拭いて、風合いを楽しんでみます」とのこと。他にも、「早速、家に帰ったらアイロンをやってみる」という方も。みなさま、お疲れ様でした!

雑巾掛けをきっかけにした簡単なお手入れで、経年変化を楽しむ暮らしをはじめてみてください。

 

木造建築教員:松井匠