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2019年08月30日(金)

グリーンウッドワークの本を出版しました!

木工教員の久津輪 雅です。今月、日本で初めてのグリーンウッドワークのテキストを出版しました。

グリーンウッドワーク本表紙

『グリーンウッドワーク 生木で暮らしの道具を作る』

著者:久津輪 雅
出版社:学研プラス
定価:本体2400円+税
ISBN:978-4-05-801072-3

 

「グリーンウッドワーク」とは、乾燥していないみずみずしい生木を手道具で割ったり削ったりして、暮らしの道具を作る木工のこと。ヨーロッパやアメリカでは年々人気が高まっており、近年は日本でも注目を集めています。電動工具や大型の工作機械を使わないため、静かで安全に作業できます。環境にも優しく、誰でもどこでも楽しめます。

森林文化アカデミーでは2006年からグリーンウッドワークの道具やプログラム開発に取り組み、日本における普及の中心的な役割を担ってきました。今ではオープンカレッジ講座には全国から受講者が集まります。クリエーター科では指導者レベルの育成にも力を入れています。

しかしこれまで、グリーンウッドワークには日本語で書かれたテキストがなかったのです。海外の書籍を取り寄せたり海外から講師を招いたりしながら、知識や技術を高め、日本独自のグリーンウッドワークも発展させてきました。より一層の普及には共通するテキストが必要だと考え、このたび大手出版社から本を出版することになりました。

主な道具や材料の紹介はもちろん、木の伐り方や割り方、斧とナイフの使い方、塗装方法などグリーンウッドワークをはじめる上で知っておきたい基礎知識をていねいに紹介しました。とくにナイフワークは、基本から応用まで13種類の削り方を豊富な画像とともに紹介しており、用途に合わせた削り方を学べます。

 暮らしを豊かにする木の日用品の作り方も多数掲載。箸、スプーン、皿、お盆、スパイスボトル、子ども椅子など、やわらかい生木を使って手で作るからこそできる繊細で優しい形の日用品が作れるようになります。

伝統的な木工と現代的なエッセンスが融合した「古くて新しい木工」、グリーンウッドワーク。ぜひこの本をご活用ください。森林文化アカデミーでも、この本を活かしてより一層オープンカレッジや専修教育を充実させていきます!

グリーンウッドワーク本目次

【CONTENTS】

・グリーンウッドワークに使う道具
・グリーンウッドワークに使う材料
・グリーンウッドワークの基本
① 伐る技術
② 割る技術
③ 斧の技術
④ ナイフの技術
⑤ センと削り馬の技術
⑥ 塗る技術
⑦ 研ぐ技術

・日用品を作る
① 箸
② スプーン
③ 豆皿
④ 箸箱
⑤ スパイスボトル
⑥我谷盆(わがたぼん)
⑦ 子どもスツールと子ども椅子

[Special topic]イギリスのスプーンフェスから日本のさじフェスへ
~世界に広がるグリーンウッドワーク・ムーブメント
[Special topic]「我谷盆」
~日本伝統のグリーンウッドワークを訪ねる
[巻末資料]グリーンウッドワーク情報集