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2018年02月13日(火)

ウィンザーチェアをデザインする

木工専攻の1年生は、1〜2月にかけてウィンザーチェアの設計と制作に取り組みます。
ウィンザーチェアとは、木の座面に丸く加工した脚や背のパーツを挿し込んで作られた椅子のことです。
今年のテーマは、2年前に教員が試作したこのウィンザーチェアを改良すること。
どこか不格好だったり、背中の当たり具合が今ひとつだったり、いろいろ改良すべき点があるのです(デザインした張本人談)。

この授業、学校が岐阜県にあることのメリットを最大限に生かしています。
まず最初に、高山市の岐阜県生活技術研究所を訪問。ここは飛騨の家具産業があることから、椅子のデザインに役立つ人間工学の研究に力を入れています。
藤巻吾朗研究員から、人間工学の基礎と、体の寸法を計測する上でのポイントの説明を受けます。

いくつかあるポイントの中で大切なのはここ、みぞおちの辺りです。ここから50ミリほど下に12番目の胸椎があります。
その辺りを中心に背中を保持してあげると、姿勢を良く保ちやすいのです。(ただし椅子の背をどれぐらい傾けるかによって、保持する中心点は変わります)

午後は柏木工へ。戦後間もない頃からウィンザーチェアを作り続けてきた、高山を代表する家具メーカーの一つです。

ベテラン職人の澤田桐有さんに工場をご案内いただきました。柏木工は3年前に新工場を建設したばかり。最新鋭の設備で家具が作られています。

見学の後はショールームを見学。人間工学的な見地に加え、長年の職人の経験から来るデザインのポイントを詳しく教えていただきました。
魅力ある商品にするためには、理論上の数字とは異なる視点も必要なのです。

許可をいただき、座りやすいと思った椅子を計測します。
おもむろに紙の上でデザインするのではなく、まず優れた現物をいくつも測ってみることで、寸法の傾向がつかめたり、デザインのポイントを理解できたりします。
こんな貴重な体験ができるのも、岐阜県の学校だからこそ。飛騨のメーカーの方にはいつも親切に対応していただき、本当に感謝しています。

見学の翌日は、改良する椅子のデザインを各自が考えてきて、1人ずつプレゼン。この段階ではまだラフスケッチです。
全員の案を1つにまとめあげて、制作する椅子のデザインを決めます。

ここからは、教員が三面図の描き方を伝え、原寸図を描いていきます。椅子はまず側面図を描き、それを平面図に写して・・・。

CADで描きたい学生は、手描きチームの隣で原寸図をCADに写していきます。

スケッチの発表から丸一日で、何とか形になりました。これが側面図。

こちらが平面図。この平面図がウィンザーチェア制作においては最も重要かもしれません。ほとんどすべての情報がこの図面に描き込まれます。

正面図。笠木とよばれる一番上の部材や、スピンドルと呼ばれる縦の棒のバランスを見るのに描きます。

さあ、制作に必要な図面ができました。翌週からはさっそく制作にかかります。

久津輪 雅


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