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2019年08月23日(金)

並材の最高品質木材

設計監理の授業で、建築の学生に木材の品質管理や流通の学びに和歌山県の山長林業株式会社に伺いました。

まずは、伐採中の山から。架線を張って集材を行い、玉切りをして集積しています。なんとこの現場、2人で回してました。

1人は写真には見えない山の奥で架線にかけ、もう1人が手前で架線を操作し、集材する。架線を操っていた方が、そのままハーベスタに乗り込み、適切に振り分けてます。作業は止まることなく、効率的にまわっています。

山長さんだけで6000haの山を持っているとか・・・。

土間まで降りてくと大量の材が積まれています。ここで、品質をみて、山長ブランドに回すか、市場に出すかの振り分けが行われています。

加工場までやってくると、どこかで見たような乾燥機が・・・。

アカデミーにもある最新型の減圧式乾燥機。(アカデミーは試験機にため小さい)バイオマスを熱源とする6機の減圧乾燥機と通常の高温乾燥機が6機あります。それぞれ、最大12Mまでの長さが入ります。なかなか圧巻です。

ドライングセットを行っていますので、表面割れもありません。
また、内部の空気を抜く減圧式のため、沸点を下げることで木材のダメージを最小限に抑え内部割れもほぼなく、油の抜けもすくなくツヤがあります。

この人工乾燥の後、水分を馴染ませるために3か月程度、外においてから出荷とのこと。

その間に、チョークで小口にきれいな面に印をつけたりと、徹底的に管理を行っています。

含水やヤング係数についても全品検査されてます。まずは目視で検品し(ここで数割はじかれる)、その後グレーディングマシンで検査し、材表面に含水、ヤング、産地、JASマークなどを印字します。

この高い棚に振り分けられていきます。原木と同じく、ここでも山長ブランドで出せるのはわずか数割。それ以外は、一般材として市場に出されていきます。

和歌山財の特徴は、吉野のように年輪が詰まっているわけでもなく、並材ですが、ヤング係数(曲げ強さ)が高めで、丁寧に育てられた材は非常にきれいです。

プレカット工場も見せていただきました。ちょうど1年生が大工合宿で大持ち継を行っていますが、ここでは、このような複雑な継ぎ手もプレカット可能。

ただし、機械ではサイズは限定され大きな継ぎ手はできないとのこと。

最後にプレカットの心臓部のCAD室にも。設計図書から構造部材を入力し、3Dで確認し、設計者と打ち合わせして、精度を高めます。入力している方も建築の専門家。レベルが高いです。

偶然、アカデミー10期生のN君にも会え、頑張っている姿を見ることができました。

全国各地で、材の特徴は違いますが、その地域の特徴を活かした木材管理や流通をつくり方など、各地の林産地をまわると非常に面白いです。

准教授 辻充孝