木工の経営学③ ツバキラボの見学
木工を生業にしていくためにどう経営していくのかを学ぶ授業である「木工の経営学」。実際に工房を経営している方の元へ訪れ、お話を伺いました。

ツバキラボ代表の和田賢治さん
3社目は岐阜市椿洞にある合同会社ツバキラボさんです。元アカデミー教職員の和田賢治さんが経営されています。同社では「地域の資源を、暮らしの豊かさに変える仕組みを作る会社」を理念に、木工品製作、木工旋盤やその道具などの販売、シェア工房運営の3つの事業を展開しています。
まず初めに社内の案内をしていただきました。室内は作業場になっており、木工機械が設置されていました。シェア工房としても営業されているので、作業している方もいらっしゃいました。木工機械を含む室内設備は随時更新しており、作業しやすい環境作りに力を入れていました。木工旋盤とプログラムで動くCNC木工旋盤も見せていただきました。これらの販売も事業の1つで、特にCNC木工旋盤は最近注目を浴びている製品だそうです。

大型の木工機械

木工旋盤

CNC木工旋盤
また、機械作業で出たおが屑や端材を利用してブリケットという人工薪を作る機械も導入されており、資源を最後まで使いきる理念に乗っ取った活動だと感じました。

おがくずから薪(ブリケット)を作る機械
その後どのような方針で経営しているのか、これまでの経営状況など説明していただきました。その中でも設立10年目を迎え、これからの10年に向けてどう進めていくか企業戦略について興味深い話を聞くことができました。ツバキラボさんは新たな挑戦として「KAMOSHIKA CRAFT」という事業を進めています。里山の木を使い木の表情を楽しみながら、日常的に使える水筒を製作販売する事業です。商品化に至るまで様々な壁に阻まれたそうです。自身も規模は異なるものの弁当箱の製作で壁に当たった経験があるので、会社としての商品化は非常にハードルが高いと改めて実感しました。

また、思い入れのある地域材を使って何か作りたいという思う人のために 製材から乾燥、加工までを請け負う「tree timeless」という事業も行っています。
「地域密着」という理念を念頭に活動され、それを貫き通す活動に感銘を受けました。ただ利益のために経営するのではなく、地域還元を重視し必要とされていく経営戦略は重要だと理解しました。
最後に和田様自身の経験から経営していく上での心得を教えていただきました。 ビジョンを持ち外部からの信用を得る、自社の看板商品の確立、発信に力を入れるなど様々でした。自分が経営者でなくてもこれらの心得を持って行動すれば、会社貢献という点で大きく評価されると思いました。
ご多忙の中対応してくださった和田さんありがとうございました。
文・石井友太(木工専攻2年)